ビデオ通話による服薬指導や服薬フォローのオンライン化に対応し、薬剤師の負担軽減、サービスの質の向上を図りたいと考えている方へ。オンライン服薬指導システムの機能や比較ポイントと併せて、タイプ別のおすすめサービスを紹介します。
オンライン服薬指導システムとは、ビデオ通話やクレジット決済、薬の配送といった機能を備えた、服薬指導をオンラインで完結できるシステムです。
オンライン服薬指導が2019年に全国解禁された時点では、「初回は対面での服薬指導が必須」「処方せん原本が必須」といった厳重なルールがありました。しかし、2022年の法改正により、「ビデオ通話必須」という条件下で、初回の服薬指導や薬剤の処方もオンライン上で行うことが可能に。今後は実用的な制度として、利用者が増えていくことが予想されます。
ただし、服薬指導は一方的に処方薬の情報を説明するだけでなく、患者からの質問への対応や薬歴の確認ができなければなりません。特にオンライン上で完結するには、処方した薬の配送手配やクレジット決済への対応も必須となります。
オンライン服薬指導システムを導入することで、服薬指導で必要になる対応・管理の一元化が可能。中には、LINEやSMSを活用して服薬フォロー業務を効率化できるサービスもあり、薬剤師の負担軽減やサービスレベルの向上といったメリットが期待できます。
オンライン服薬指導システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
オンライン服薬指導システムに欠かせない基本機能と、あるとより便利なサポート機能について解説します。
予約機能 | 患者から予約を受け付けたら、ビデオ通話の日時を設定し、患者に実施日時やメッセージ、ビデオ通話のURLなどを送信できます。 |
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ビデオチャット機能 | オリジナルアプリやLINEなどを通じて、ビデオ通話を行える機能。 |
クレジット決済機能 | オンラインで薬を購入するための決済機能。クレジットカードを登録しておけば、オンライン上で会計が完了します。 |
配送機能(宛名印刷) | 運送会社のクラウドサービスと連携することで、宛名印刷や処方薬の配送の手配ができます。 |
処方箋のネット受付 | 患者が対面診療後に受け取った処方箋をスマホで撮影し、オンラインで薬局に送信できる機能。 |
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オンライン問診 | 服薬指導前に、オンラインで問診票への記入ができる機能。回答内容をチェックすることで、事前に患者の状態を把握可能です。 |
電子お薬手帳機能 | 患者の電子お薬手帳を閲覧するための機能。薬の重複や相互作用などを事前に確認できます。 |
薬歴共有 | チェーン・グループ店の薬歴情報をクラウド上で一元管理し、相互で共有するための機能。 |
服薬フォローアップ機能 | 服薬期間中にメッセージや質問表を送ることで、患者へのフォローを行う機能。患者から届いた回答結果は、医師へのフィードバックに活かすこともできます。 |
薬歴入力支援 | SOAP形式での薬歴入力をサポートする機能。アラート表示で記入漏れを防止できるものも。 |
オンライン服薬指導システムは、目的別に3つのタイプに分けられます。それぞれのタイプの機能や特徴を解説していきます。
オンライン服薬指導のための基本機能に加えて、薬歴管理や電子お薬手帳のチェックなど服薬情報を一元管理する機能や、在庫管理、レセコン連携といった薬局業務全般をフォローする多機能タイプ。オンライン服薬指導に対応するだけでなく、服薬指導の質の向上や業務全体の効率化を目指したい場合に適しています。
たとえば「Pharms(ファームス)」は、同社が提供する患者向けアプリ「CLINICS」と連携することで、診療から服薬指導までをオンラインで完結可能。処方箋のネット受付やキャッシュレス決済への対応、薬の配送まで効率化できます。更に、店舗情報の設定やスタッフ管理といった店舗管理機能も搭載されています。
「Musubi」は、服薬指導をしながら薬歴を同時に作成できる機能や、加算取得支援といった機能が充実。また、AIによる患者来局予測により、欠品や過剰在庫のリスクを削減することも可能です(オプション)。
なお、薬歴管理に特化したシステムについて詳しく知りたい方は、「電子薬歴システムの比較12選。クラウドを中心に選び方を紹介」をご覧ください。
服薬状況や体調の確認、疑問の解消といった患者とのコミュニケーションは、かかりつけ薬局としての重要な役割です。2020年の法改正により、調剤後のフォローアップ業務が義務化。2024年度の調剤報酬改定でも評価体系の見直しが行われるなど、服薬フォローの重要性が年々高まっています。
また、フォローアップに力を入れることで、アドヒアランス向上や治療の継続につながり、リピーターを増やすという効果も見込めます。
フォローアップ業務をサポートする機能として、「つながる薬局」はLINEを使った服薬フォロー、「kakari」は薬局からの一斉お知らせ送信や双方向チャット、「クロンお薬サポート」は対象患者ごとのToDoタスクの一元管理などを、それぞれ搭載しています。
多彩な機能は必要なく、オンライン服薬指導に必要な機能だけを導入したい場合には、こちらのタイプがおすすめです。導入にかかるコストを抑えられるうえ、専門知識がなくても薬局の対人業務をすぐにオンラインに切り替えることができます。
「CARADA オンライン診療」や「くすりの窓口オンライン服薬指導」「SOKUYAKU For ファーマシー版」「Amazonファーマシー」がこちらのタイプに該当し、予約機能やビデオ通話、クレジット決済、薬の配送といった機能をそろえています。
オンライン服薬指導システムを選ぶときに気をつけたい、3つの比較ポイントについて解説していきます。
フォローアップを充実させたい場合は、服薬期間中のやり取りを自動化・半自動化できるシステムがおすすめです。
「任意のタイミングでメッセージを自動送信できる」「質問や返信文をテンプレートとして登録できる」など、やり取りにかかる負担を軽減できるフォロー機能が搭載されているかをチェックしておきましょう。
また、LINE上で服薬フォローできる「つながる薬局」、SMSでメッセージ送信できる「Pharms(ファームス)」は、専用アプリのダウンロード不要で利用できる手軽さが魅力。使い慣れたインターフェースでやり取りできるだけでなく、個人情報管理の面でも患者に安心感を与えられるため、薬局の付加価値向上にも役立ちます。
新規患者の開拓を目指す場合には、患者向けの薬局検索機能を搭載したシステムが適しています。「該当地域のオンライン服薬指導に対応している薬局」として検索結果に表示されるため、登録しているだけで新規ユーザーへのアプローチが可能に。
たとえば、株式会社メドレーのオンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS」なら、近隣のオンライン服薬指導対応の薬局を検索でき、そのままスムーズに予約まで進められます。
また、「kakari」のように検索機能のないシステムをあえて選ぶことで、「自薬局のアプリ」として訴求していくのも一手です。
高齢者などスマホを使い慣れていない患者が多い場合、オンライン上でいかに対面の服薬指導に近い体験を提供できるかがカギとなります。
たとえば、「Musubi」は、ビジュアルコンテンツ機能により、患者と画面共有しながら服薬指導できることに加え、健康アドバイスのイラストによる理解促進も可能。耳の不自由な方にも伝わりやすくなり、対面に劣らない指導を実現できます。
薬局業務全般の効率化に対応している、主なオンライン服薬指導システムをご紹介します。
(出所:Pharms公式Webサイト)
患者とのつながりを強化することで、薬局の“かかりつけ化”を促進するシステム。患者向けのオンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS」と併用することで、オンライン服薬指導のほか、オンライン問診や処方箋ネット受付、キャッシュレス決済が可能に。また、お薬手帳アプリで管理している服薬情報を閲覧したり、服薬期間中の患者にメッセージと質問票が送れたりと、フォローアップ機能も充実している。
更に、薬の配送や薬歴システムとの連携にも対応。そのほか、受付管理や電話通知などの機能を備え、薬局全体の効率化をサポートする。システム利用料なしで、申込ごとに利用料が発生するライトプランも用意されているため、まずは服薬指導のオンライン化に特化して体制を整えたいという場合におすすめ。
(出所:Musubi公式Webサイト)
薬歴業務の効率化や服薬指導のサポート、経営データの見える化、LINE上で行える服薬フォローなどを網羅し、薬局DXを支援するクラウドサービス。薬剤師の負担軽減と患者の薬局体験の向上を支援する。
オンライン服薬指導に役立つ機能として、説明内容をわかりやすくするためのビジュアルコンテンツや、13万種類以上の薬剤写真付きの指導文などを搭載。患者と画面共有をしながら説明することで、オンラインでも充実した服薬指導が行える。
また、服薬指導中に画面をタッチするだけで薬歴の下書きを自動で作成可能。服薬期間中のフォローを半自動化する「フォローメッセージの自動送信」にも対応し、最小限の業務負荷で高品質なサービスが提供できるように。
フォローアップ業務に強みのある、主なオンライン服薬指導システムをご紹介します。
(出所:つながる薬局公式Webサイト)
友だち登録者数130万人超の、LINE公式アカウントを利用した調剤薬局向けサービス。来局前の処方箋受付やお薬手帳アプリの閲覧、服薬期間中のフォロー、健康状態や薬に関する相談メッセージなどが、LINEひとつで実現できるという手軽さが魅力だ。ビデオ通話によるオンライン服薬指導やクレジット決済もLINEを介して完結できる。個人情報などのデータは、サービス提供会社が管理する国内サーバーで保管するため、セキュリティ面も安心。新しいアプリをインストールする必要がなく、使い慣れたLINEで薬局とコミュニケーションが取れるので、患者側にとってもメリットが大きい。
また、患者の同意を得ることで、介護施設職員が入居者の薬情報を管理画面上で確認できる。
(出所:kakari公式Webサイト)
薬局の「面処方応需拡大」を支援する、かかりつけ薬局アプリ。あえて薬局検索機能を搭載せず、自薬局専用のアプリとして活用してもらうことで、高いリピート率と処方せん送信率を実現する。店頭チェックイン、電子お薬手帳といった薬局利用をより便利にする機能に加えて、服薬期間中のフォローメッセージ自動送信や双方向チャットといった薬局と患者をつなぐ機能が充実している。更に、服薬フォロー結果からトレーシングレポートを作成し、服薬フォローを起点とした医薬連携のサポートも図れる。
kakariアプリをインストールすれば、ビデオ通話によるオンライン服薬指導も可能。また、クレジット決済だけでなく、コンビニ決済や銀行振込といった多様な決済手段が用意されているのも強み。
(出所:クロンお薬サポート公式Webサイト)
オンライン服薬指導をはじめ、決済、配送、処方せんのネット受付まで完結できるオンライン服薬指導サービス。約6,000施設の医療機関との連携実績やシンプルで使いやすい操作感、アプリ不要で利用できることなどが支持され、大手チェーンを含めた多くの薬局で導入されている。
「クローンスマートパス」機能と連携すれば、患者が事前に選択した薬局に医療機関から処方箋が自動で送付される。LINEやメールで調剤完了の通知を送ることもできるため、薬局での待ち時間削減に役立つ。
そのほか、対象患者毎のToDoタスクの一元管理や、フォローアップ用質問票を作成・送信、ビデオ通話での服薬状況の確認など、フォローアップ機能も多数そろう。
服薬指導のオンライン化に特化している、主なオンライン服薬指導システムをご紹介します。
(出所:CARADA オンライン診療公式Webサイト)
直感的でシンプルな操作性が強みのオンライン服薬指導システム。予約から薬の配送まで、オンライン診療に必要な機能がそろう。カレンダーから予約をしたらビデオ通話で服薬指導が行え、クレジット決済まで自動で完了できる。薬の配送にも対応しており、最短当日中での集荷を実現。薬局・患者双方へのアラート機能も搭載しているため、服薬指導の漏れ防止にも効果的だ。
また、システムの操作方法の説明や、患者向けのマニュアル・チラシなどの提供といった導入後のサポートも受けられる。
同グループが運営しているクラウド型電子カルテ・薬歴システムなど、医療システムとの連携も予定されているので、これからの利便性向上が期待される。
(出所:くすりの窓口オンライン服薬指導公式Webサイト)
国内最大級の薬局・ドラッグストア検索予約サイト「EPARKくすりの窓口」の運営会社が提供するオンライン服薬指導システム。EPARK会員数は4,300万人、加盟薬局数は20,000店舗という実績を持つ。
日時の予約からオンラインでの服薬指導、そして決済、配送までの一連のフローに対応している。ビデオ通話時には、患者の基本情報や問診票情報、処方箋などを参照しながら服薬指導時が行えるので安心だ。また、オンライン服薬指導終了時に決済が完了するので未収リスク軽減にも役立つ。
完了履歴の患者情報から宛名ラベルを印刷する機能も近日リリース予定。
(出所:SOKUYAKU For ファーマシー版公式Webサイト)
保険診療であれば月額システム費用なしで利用できる、薬局向けの服薬指導サービス。服薬指導の予約から決済、処方薬の配送までをワンストップで提供する。システムの操作感はシンプルで、専門のサポートスタッフによる電話・メールでのサポートが受けられるので、安心して導入できる。
オンライン服薬指導機能に加えて、予約管理や薬局情報の編集・管理、薬剤師のプロフィールやシフト設定、オンライン診療/服薬指導の実施状況に関するデータ集計など、幅広い機能がそろう。QRコードをスキャンするだけでアプリにお薬手帳の情報が登録される機能も搭載し、患者の利便性向上に貢献する。
(出所:Amazonファーマシー公式Webサイト)
Amazonが提供するオンライン薬局プラットフォーム。国内最大級のユーザー数を誇るAmazonのショッピングアプリ上で、処方薬の購入からオンライン服薬指導、配送まで完結できる。
医療機関で受け取った電子処方せんのアップロードに対応しており、患者が選択した対象薬局の薬剤師からビデオ通話によるオンライン服薬指導を受けられる。処方薬は最短で当日中に発送できるなど、Amazonの配送網を活かしたスピーディーな配送も強みだ。
更に、株式会社メドレーが提供するオンライン診療アプリ「CLINICS」とも連携。Amazonファーマシーの導線上からオンライン診療の予約・受診を可能にすることで、シームレスな医療体験の提供をサポートする。
コロナをきっかけに法制度が改正され、需要の拡大も進んだオンライン服薬指導。しかし、すべての薬局が対応しているわけではないので、オンライン服薬指導システムを導入することで、他薬局との差別化や新規顧客獲得など、様々なメリットが期待できます。
導入システムを検討する際には、本記事でご紹介した3つのタイプと合わせて、3つの比較ポイントも参考にしてみてください。
導入目的によって最適なシステムが変わってくるため、服薬フォローアップ充実によるリピーター獲得が重要なのか、薬局検索機能による新規顧客獲得を狙うのか、服薬指導の再現性による接客品質の向上を目指すべきか、しっかり見極めておくと良いでしょう。
オンライン服薬指導システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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