コールセンターにおいてExcelのマニュアル利用が課題となっている方へ。Excelからシステムに移行したほうがよいのか、メリットや進め方、活用方法などを含めてご紹介します。
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ExcelはFAQの質問と回答を手軽に作成・管理できる手段のため、コールセンターのオペレーター支援によく使われています。コールセンターの立ち上げ当初や少人数のうちはともかく、一定数以上のオペレーターがいるのにExcel利用を続けていると、次のような不便が大きく目立ってしまいます。
オペレーターがお客様からのお問い合わせに対して、すぐに答えられない場合、回答マニュアルから該当箇所を探して確認することになりますが探索に時間がかかりがちです。紙のマニュアルだけでなく、Excelファイルでは、検索機能で探そうにも、ヒットした単語を上から見なければならないとか、AND/OR検索がしにくいなどの問題があります。
そのため、オペレーター向けに折角FAQを整備したのに、回答が探せないからから使わないとなってしまい、FAQが宝の持ち腐れになってしまいます。
回答が短文で済むのであればExcelによる一問一答形式でも問題ありませんが、複雑な手順を説明する場合は、Excelだと説明が不十分になりがちです。Excelのセルの中に記入する場合は、図や動画などは使えず、表現方法が限られるため、丁寧に説明するというのが難しいです。
マスターのファイルを誰かが管理しなければならず、更新点について気づいた人がその場でコメントしたり、修正してしまったりというのはしにくいです。それに、更新した場合の修正箇所も把握しにくいという問題もあります。更新箇所を赤字や青字にしておく、という手もありますが、それが何度も続くと、どれが最近更新されたものかわからない、というバージョン管理に関する問題も生じます。
Excelファイルは万能性が高いしマクロ利用を含めた拡張性も高いので、何でもしたくなりますが、作り込むほどファイルサイズが大きくなります。それに、ファイルを何個も作成した場合は、同時に何個も重いファイルを開かねばならず、PCで検索・参照する行為自体に支障が出る可能性があります。
FAQシステムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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前項で挙げた問題点は、コールセンターのオペレーター向けのFAQシステムを上手く活用すれば解消が期待できます。そこでコールセンター向けFAQシステムの導入メリットを確認しましょう。
自身では回答できないことでも、FAQ検索で回答例やトークスクリプトを確認することで、すぐにお客様に回答できるようになります。SVや同僚に確認しにいく手間がなくなります。なにより、受電時に、話しながら検索してその場で回答を伝えることができるようになります。
回答が難しい所は、FAQを参照しながら回答できるようにすればよい、となりますので、難易度が高い回答や、最近はじめた製品キャンペーンのような最新の話題にキャッチアップできてない場合は、FAQを確認して回答してください、と伝えられるようになります。それに、回答に困ったら都度SVや経験豊富な人に聞きに行く、という回数が減りますので、教える側の負担も軽減されます。
オペレーターにとっては、覚えるべきことが減り、困ったときに気軽にすぐに聞ける存在になりますので、負担やストレスが減ることにもつながります。結果的にオペレーターの定着化と離職率の低下につながります。オペレーターの採用や育成は難化の一途の現状では、オペレーターに安心して長く働いていただくための取り組みは不可欠です。
それでは、どのようなFAQシステムがコールセンターのオペレーターに役立つのかポイントを確認しましょう。
キーワード検索して、必要なコンテンツがすぐに見つかることは必須です。一口にキーワード検索と言っても、全文検索だと、キーワードを含むコンテンツが何個も出てきて、検索結果から探すのが大変となりがちです。そのため、キーワード入力時に入力補助のような仕組みがあるのか、検索結果にたどり着くまでの画面遷移がわかりやすいのかという観点での確認は必要です。
また、キーワード検索を補完する機能、たとえば、タグ付け、カテゴリ設定なども使い方によっては有用なので、利用前提で確認すべきでしょう。
FAQコンテンツの陳腐化を防止するためには、いつこの文章が作成されたのか、ページ単位ではなく、回答ページごと、できれば文章単位での更新履歴把握が必要です。マニュアルを改編する際に上長承認が必要であれば、承認ワークフロー機能があると便利です。
FAQコンテンツの更新を促進するには、更新担当者ががんばって修正するのではなく、気づいた人が更新作業をお手伝いすることの方が継続性の観点で重要です。たとえば、マニュアル利用者がFAQコンテンツを参照していて、この箇所が古いから更新が必要であるとか、この説明については、このような対応方法も必要だから追記すべきだとか、お客様と応対しているからこそ気づいていることをすぐに誰でもフィードバックできるようになると更新作業がスムーズに進むようになります。そのフィードバックのためのコメント付与機能などは有用でしょう。
FAQシステムの選び方については、「FAQシステム比較13選!3つのタイプに分けて選び方を紹介」で詳しくご紹介しています。
コールセンターにおいてFAQシステムを活用するためには、まずFAQシステムに投入するコンテンツの準備が必要です。これまで、ExcelでFAQを管理していて、質問と回答が列や行できちんと整理されている場合は、そのままCSVインポート機能を使って、簡単にFAQシステムへ入れ込むことができます。
こちらでは、「最低限のよくある質問程度しか整理されていない」「問い合わせの対応履歴を管理できていない」といった場合に、どのような手順でコンテンツを作成していけば良いのか、具体的な作り方についてご紹介します。
まず、FAQのコンテンツを作成するうえで大切なことは「すべてを網羅しようとしない」ということです。初めから、これまでの問い合わせ対応履歴をすべて洗い出して整理しようとすると、時間も手間も膨大にかかってしまいます。
問い合わせ頻度の高い質問や、経験の浅いオペレーターがつまづきがちな点など、優先度の高い内容から作成し、まずは公開することを目指しましょう。その後で、問い合わせ頻度の低い質問や注意すべき細かな点などを順次整理して追加していき、コンテンツを充実させていくのがおすすめです。
回答内容も同様に、丁寧に詳しく書こうとすると、時間がどれだけあっても足りません。また、優先順位をつけずに取りかかると、「オペレーターがさほど必要としていない情報まで詳しく作ってしまった」といったようなムダが発生してしまう可能性も。なるべく最低限でスタートし、その後で、オペレーターから「必要な情報が入っていなかった」「この内容だけではわからない」といったようなフィードバックを受け、それらの内容をコンテンツ化し、FAQへ反映していくと良いでしょう。
とはいえ、「わかりやすさ」は重要ではあるので、言葉だけでは伝わりづらい場合は、「イメージ図や画像を入れる」「ポイントとなる箇所を強調する」といった工夫は有効です。
スモールスタートで始めるとしても、最終的にはほとんどのオペレーターの疑問は解決していきたいところです。そのためには、次にどのコンテンツを足せばよいかは効率的に考える必要があります。そのためには、検索履歴が有効です。
システムによって粒度に差はありますが、検索ログを見ればどのキーワード検索が多いのかがわかりますし、なかには検索した後に回答ページに到達できたのかがわかるものもあります。それらを頼りに、よく検索されているけれど、回答が見つかっていない質問に対して随時回答を追加していくようにしましょう。
スモールスタートをしている間は、検索しても見つからないことも度々発生します。オペレーターに見つからないから使わない、と思われては大変です。そのため、最初は必要なものから徐々にFAQコンテンツを整備していること、やがては必要なものはほとんど快適に探して参照できるようになること、そのためにフィードバックなどで積極的に協力してほしいことを伝え、理解を得て進めるのがおすすめです。
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(出所:Zendesk公式Webサイト)
アメリカの本社のZendeskはFAQだけでなく、カスタマーサポート向け問い合せ管理機能やチャット機能などを統合的に提供しているシステム。国内でも大手企業からスタートアップまで利用実績が豊富。FAQでは一通りのコンテンツ作成・編集・公開機能を有しており、コンテンツエディタ、コンテンツの履歴管理、検索用のカテゴライズやラベルにも対応。
問い合わせ管理システムとして利用している企業も多いため、統合プランを利用して、コールセンター業務で広範囲に利用するというのも手。
(出所:FastAnswer2公式Webサイト)
「作りやすい」、「見つけやすい」、「育てやすい」をコンセプトにしたFAQシステム。文書からクローリングでコンテンツを自動で作成(=作りやすい)、検索タグ、ナレッジの種類・テーマでの絞り込み等(=見つけやすい)、コメント機能を用いてチームで協力してコンテンツを更新。レポーティング機能で更新すべきコンテンツの見極めができる(=育てやすい)という特長を持つ。
コンタクトセンター向けCRMを20年以上提供してきた同社ならではの知見が活かされており、コンテンツの作成・検索・更新といった機能面だけでなく、オペレーターにストレスを与えない使い勝手・操作性も好評。APIを通じた外部システムにあるコンテンツの検索もできる。
(出所:PKSHA FAQ公式Webサイト)
大手企業の導入実績が豊富で、Q&Aコミュニティサイトの運営経験を活かしたFAQシステム。検索精度を高める仕組みとして、「検索サジェスト機能」、キーワードから選べる「注目のキーワード」、分類リストを用いた「絞り込み検索」等に対応。FAQの閲覧数、問い合わせ経路、検索ログ等をレポート出力、閲覧数と検索ヒット率のフィット&ギャップ分析にも対応しているなど、分析機能が充実している点も強み。過去回答を用いた回答作成機能や回答テンプレート等の回答作成支援機能も充実。
(出所:sAI Search公式Webサイト)
「欲しい答えがすぐに見つかる」をコンセプトに、高速・高精度の検索が強みのたAIを搭載したFAQ検索エンジン。同社のAIチャットボットサービスで蓄積したAIの精度の高さにも定評あり。検索時にリアルタイムで質問文候補が表示され、1文字入力ごとに候補が変化するなど答えにたどり着きやすい作り。
用途に応じて、FAQページ向け画面、ホームページのどこでも埋め込めるウインドウ画面、コールセンターのオペレーター向け画面の3つの検索画面を用意しており、オペレーター向けには、ヒアリングする順番をガイドする問い合わせ支援機能も搭載しており安心。
(出所:Helpfeel公式Webサイト)
EC事業や金融・保険など、幅広い業種・規模の企業に採用されているFAQシステム。カスタマーサポート部門での導入実績も豊富だ。
特許を取得した独自技術と生成AIを掛け合わせた「意図予測検索」を搭載。漢字とひらがなの表現の違いはもちろん、スペルミスや抽象的な表現での検索のほか、音声検索にも対応。文章の意図を汲み取って検索してくれるため、スムーズ且つ正確に欲しい回答へたどり着ける。
FAQの導入から運用まで、プロフェッショナルチームによる伴走体制を敷いているのも強み。AIを活用したFAQ生成機能の提供をはじめ、サービスや課題にあわせたFAQの構築・カスタマイズ、テクニカルライターによる企業ごとの専用辞書の作成など、手厚い支援を受けられる。
(出所:アルファスコープ公式Webサイト)
ナレッジ精度を高めることで、オペレーターの応答率とユーザーの自己解決率向上を支援するFAQシステム。ユーザー向け・オペレーター向けFAQ、チャットボットなど、社内のナレッジを1つのデータベースで運用することができる。FAQの更新予約や一括インポートなど、手動で行っていた作業を自動化し、工数を削減。経路や検索ワードなどの分析機能によって、サービス品質を向上する。誰でも簡単に登録・編集できるので、継続的なナレッジの蓄積・醸成が可能。ショートカットキー操作や画面縮小機能、探しやすさを追求したフィルタリング機能など、ユーザーの疑問に、迅速に的確に回答するための、オペレーター向けに特化した機能も備える。
(出所:ナレッジリング公式Webサイト)
充実した機能を低価格で利用できるFAQシステム。コールセンター向けの利用実績もあり、あいまいな内容の問い合わせに効果的な検索のサジェスト機能や、ファイルにあるマニュアルの中身まで検索できるファイル内検索機能などの特徴を持つ。コールセンターにおいて、数多くのマニュアルやトークスクリプトなどを紙で持ち、該当ページを探すのにいつも苦労しているという場合に特に有効。オペレーター間で質問や回答を共有できるコミュニティ機能など特色ある機能も持つ。
(出所:Service Cloud公式Webサイト)
あらゆるチャネルからの問い合わせを一元管理できる、CRMベースのカスタマーサポートプラットフォーム。FAQ機能のほか、メッセージングやチャット、チャットボット、各種分析機能など、豊富な機能がそろう。
コミュニティ上で顧客が質問を入力すると、関連度の高い情報が「推奨ナレッジ」として自動で表示されるため、オペレーターからの返信を待つことなく自己解決できる可能性が高まる。また、顧客からの問い合わせに対して有効なナレッジが存在しない場合には、オペレーター自身がその場で解決策を作成し、ナレッジとして蓄積可能。次に同様の問い合わせがあった際も効率的に対応できる。オペレーターの作業効率が向上するだけでなく、新人スタッフの育成にも役立つ。
コールセンター向けFAQシステムは、回答スピードの向上、教育負担の軽減、そしてオペレーターの離職率の低下に間違いなく貢献します。そのためにはFAQシステムの活用方法もポイントになりますが、検索性とコンテンツの更新性があり、FAQコンテンツが十分でなくとも問合せ頻度の高いコンテンツがあれば十分な活用が期待できます。今回のご紹介がExcel検索からの脱却の一助になれば幸いです。
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FAQシステムのさらに詳しい選び方はこちらの選び方ガイドをご覧ください。
FAQシステムの選び方ガイド
テクマトリックス株式会社
コンタクトセンター内でのナレッジ蓄積や活用によるオペレーターの応対品質・業務効率の向上や、外部サイト(HPなど)でのFAQ公開でお客様の自己解決率の向上を図るF...
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