業務遂行のためのプロセスを明確に定め、改善を重ねることで業務の効率化や生産性の向上をはかりたい方へ。BPM(業務プロセス管理)ツールの選び方、比較ポイントやおすすめツールを紹介します。
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BPMツールとは、業務プロセスの可視化・自動化によって業務を効率化し、生産性向上を図るためのツールです。ビジネスプロセスを可視化する「モデリング機能」や、ビジネスプロセスの動作を予測する「シミュレーション機能」、ビジネスプロセスを監視する「モニタリング機能」などを搭載。導入することで、日々発生する業務の効率化や属人化の解消など、様々な効果が期待できます。
BPMとは、Business Process Management(ビジネスプロセスマネジメント=業務プロセス管理)の略称です。自社に合った業務プロセスを構築したうえで、PDCAサイクルを回すことで改善をはかり、最適化を目指す管理手法を指します。
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BPMツールは、後述の「業務管理に強みを持つタイプ」、「業務プロセスの自動化に強みを持つタイプ」、「業務プロセスの改善につなげやすいタイプ」、「オープンソースタイプ」と、大きく4タイプに分類できます。タイプによっても異なりますが、主にできることは以下の通りです。
業務プロセスを表現する図やフローチャートを作成する機能。業務プロセスを見える化することで、全体の流れや次にやるべきことがはっきりと分かるため、従業員は業務を進めやすくなります。また、プロセス全体を可視化することで、非効率的な業務を見つけて無駄を削減できるというメリットがあります。
業務フローにタスクを紐付けることで、作業をもれなく確実に進めるための機能。タスクの締切を設定・通知するできるツールなら、スケジュール管理にも役立ちます。
業務プロセスに加えて、各担当者が受け持っているタスクを可視化する機能。管理者は現場担当者の作業進捗状況を見ながら仕事を分配できるため、特定の人に作業が集中するのを避けられます。
RPAやAIなどのデジタル技術を応用して、日常の定型業務やフローを自動化する機能。ヒューマンエラーを防ぐとともに、人手のかかる単純作業の負担を削減でき、より効率的に業務を遂行できるようになります。
「Google Workspace」や「Slack」など、普段使っている外部のシステムと連携する機能。複数のツールを並行して立ち上げることなく、通知の受け取りや作業を同一ツールでシームレスに行えます。
BPMツールのタイプは、大きく4つに分けられます。
業務プロセスを図やフローチャートなどによって定義。作業者は詳細を知らなくても、表示された手順に従っていけば、確実に業務を遂行できます。「業務フローをきちんと定めて、作業の抜け漏れを防ぎたい」「担当者によるスキルや認識のばらつきを平準化し、品質を担保したい」といった場合におすすめです。
また、何をどれくらい管理できるかはツールによって異なります。「TimeCrowd」は工数管理のほか、プロジェクト単位での人件費も算出可能。収益性の把握だけでなく、リソース・能力に応じた業務量の配分や、案件のコスト調整にも役立ちます。「BP Director」はタイムライン機能を搭載しており、「いつまでにやればいいか」という時間軸の設定も可能です。
更に、各コンテンツのリッチさ(どのくらいの粒度で業務を説明するか)も、ツールによって違いがあります。「octpath」はプロセスに準じてマニュアルを紐付け・参照するシンプルな設計ですが、「Create!JobStation」は画像やリンク、チェックリストなども利用可能。解説が手厚いため、ユーザーが迷うのを防げます。
人手のかかる業務プロセスの自動化に強みを持つタイプ。単純な定形作業にかかる時間を削減して、更なる効率アップ、生産性向上を目指したい企業に向いています。
「Questetra BPM Suite」では、業務フローと連携したワークフローアプリの作成・編集が可能。「ファイル保存」「PDF生成」といった様々なアクションを自動化できます。また、「intra-mart BPM」では、BPMの仕組みにワークフローやローコード開発ツールを組み合わせられるほか、業務ロジックの呼び出しや、RPAによる自動化にも対応。組み合わせ次第で、自動化アクションの範囲を広げられます。
業務プロセスの構築から運用後のモニタリング、改善に関するレビューまでに対応したタイプ。業務の標準化・最適化を推進したい企業に適しています。
たとえば「Ranabase」は、作図したフローをオンラインで共有しながら、レビューや改善箇所についてチャットができる「コミュニケーション機能」を搭載。チームを巻き込んだ業務改善に取り組みたい場合に最適です。
ツールがオープンソース形式で公開されており、無料で利用できるタイプ。業務フローの作成や管理など、一通りの機能が無料で使えるため、BPMツールの使用感を試してみたい場合におすすめです。ただし、これらのツールを無料で使う場合、セットアップは自社で行う必要があります。
上記4つのタイプを把握したうえで、より自社に合ったツールを導入するために比較すべきポイントを紹介します。
業務フローをイチから構築していくと、非常に時間がかかります。その業務フローがあらかじめデザインされたテンプレートが充実していると、フロー構築にかかる時間を短縮できます。あらゆる業界や業種で使うことを想定して、豊富にテンプレートをそろえたツールなら、短時間でフローを構築でき、運用までスムーズに進められるでしょう。
たとえば、「DataSpider BPM」には、「日報」「稟議」「経費申請」といった、あらゆる部署で汎用的に使えるフローのテンプレートが充実。「Questetra BPM Suite」には、「Google Drive」や「PayPal」など、外部サービスの連携に対応したテンプレートがそろっています。
より効率的に業務を進められる機能や、フローの改善に活かせる機能の有無もBPMツールの比較ポイントになります。
たとえば、「TimeCrowd」や「octpath」「Process Street」は、担当者の抱える業務や進捗状況をリアルタイムで可視化。担当者同士で進捗状況を共有する手間が省けるうえ、管理者が担当者へ仕事を割り当てる際の指標にもなります。また、「Runbase」の「コミュニケーション機能」を使えば、フローの改善点の指摘や気付きの共有が可能に。
国際規格に準拠した表記法である、BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)への対応可否もチェックしておきましょう。BPMNとは、業務プロセスの手順を描く手法のひとつであり、部門や組織の垣根を越えた世界中の共通言語として利用できます。更に、ツール内で作成した業務フローを保存して、BPMNに対応したほかのシステムで展開することも可能です。
「intra-mart BPM」は、BPMNに則ったプロセス作成機能を搭載しているうえ、BPMNの書き方を学習する従業員向けの研修も実施しています。
日々の業務管理に役立つタイプのBPMツールを紹介します。
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(出所:TimeCrowd公式Webサイト)
業務の進捗状況や稼働時間を見える化する工数管理に重きを置いたツール。タスクの開始時と終了時にワンクリックするだけで稼働状況を自動で記録可能。「誰が」「何を」「どれくらいの時間行っているのか」が一覧で表示されるため、各メンバーの業務内容・業務プロセスをひと目で把握できる。従業員ごとに時間単価を設定すれば、プロジェクト単位での人件費をリアルタイムで算出可能。収益の管理に役立つ。
過去の業務分析をレポートで振り返る機能を搭載。タスクやメンバー、稼働時間といった項目ごとに絞り込んで、必要なデータだけをピックアップすることも可能。赤字案件の特定や課題・ボトルネックの抽出が簡単にできるため、迅速な業務改善が期待できる。
(出所:Create!JobStation公式Webサイト)
定型業務の標準化に最適なツール。従業員はオンライン上で、社員証の作り方、物品購入の仕方、出張手配の仕方など、やりたいことを選んで開始するだけで「何をどうすべきか」フロー形式でわかりやすく教えてもらえる。回答がテキストだけでなく、画像やリンク、チェックリストも利用可能なためわかりやすい。
作業開始後も「どのステップまで進んだか」「どこで止まっているか」をユーザーだけでなく、管理者も確認可能。いざと言う時はコメントしたり、ファイル共有もできるし、期日に近づくとリマインドメールも配信されるため、作業の停滞や遅延も防げる。業務の標準化に合わせて、総務や情シスへのよくある問い合わせも減らせる。
(出所:octpath公式Webサイト)
作業手順が複雑な業務をフロー化し、一元管理できるBPMツール。顧客問い合わせ対応やサービス制作〜納品、請求管理などあらゆる業務をフロー化。今やるべきことが順番に表示される仕様なので、誰でも迷わず作業に取り組める。ほかにも、タスクの締切設定機能や、システム内でのマニュアル参照機能、作業結果に応じた自動分岐機能などを搭載。ヒューマンエラーを最小限に抑えられる設計になっている。担当者ごとのタスクや進捗状況を可視化できるため、管理者側が業務を割り振りしやすいのもポイント。
データ通信暗号化、多要素認証など、複数のセキュリティ対策を採用。オプションや追加料金なく、1ユーザーあたり月額1,650円で利用できる。
(出所:BP Director公式Webサイト)
複雑な業務プロセスの可視化ができるBPMツール。様々な時間軸が定められた業務プロセスを管理できる「タイムライン機能」が特徴だ。同時並行で進める複数の業務を並べるだけで、時系列順にガントチャート形式で表示できる。作業が遅れそうな場合に役立つ機能として、アラート機能や作業時間の再配分機能を搭載している。業務フローを構築した後は、各担当者の作業進捗状況をリアルタイムで表示。更に、フローの申請・承認処理の履歴が保存されているので、監査にもすぐ対応できる。
人事情報システムや商品マスタといった外部システムとも連携可能。クラウドとオンプレミスの2種類から選べる。
(出所:iGrafx公式Webサイト)
現場の担当者と管理者をシームレスにつなぐBPMツール。現場の担当者でも業務フローを作成できる直感的な操作性が特徴で、業務マニュアルや内部統制書類の作成まで、幅広い分野で利用されている。フローチャートに、ポイント、関連帳票・データ、関連システムを埋め込めるので、業務の全体図を視覚的に把握できる。また、関連するマニュアルや文書の雛形をフローへ紐付けることで、ミスのなく業務を進められる。プロセスの可視化から解決プランの策定、モニタリングまでに対応。
オプションサービスとして、20年以上にわたり業務プロセス改善のコンサルを担ってきた同社によるツール定着支援、改善支援を提供。
業務プロセスの中で発生する作業を自動化できるBPMツールを5つ紹介します。
(出所:Questetra BPM Suite公式Webサイト)
ノーコードであらゆる作業を自動化できるBPMツール。自動化範囲は、PDFの自動生成や演算から、文字の結合まで様々だ。更に、「Google Workspace」といった外部のクラウドサービスとのAPI連携することで、BoxのファイルアップロードやGoogleスプレッドシートのレコード追加といった作業も自動化できる。ツールに内蔵されているアプリを編集するほか、イチからアプリを作成することで業務プロセスの自動化を実現。資料請求対応、日次報告、稟議など、フロー作成に役立つテンプレートも豊富にそろう。また、処理済みの工程から次の工程、社内から社外といった仕事の受け渡しの自動化にも対応。
BPMN表記法に対応した業務フローも、簡単なマウス操作で構築できる。
(出所:intra-mart BPM公式Webサイト)
国内企業を中心に8,900社以上に導入されているBPMツール。業務フローの効率化と業務プロセスの自動化の双方を両立できる。ドラッグ&ドロップなどの操作で簡単に業務フローが構築でき、BPMN表記法にも準拠。過去のデータやKPIに基づいて構築後の運用状況を分析・比較できるなど、業務改善のサイクルを回しやすい仕組みになっている。
フローの中に自動化アクションを促すアプリを組み込むことで業務の自動化が可能。アプリの設計に高度なプログラミング知識は必要なくローコードで開発でき、AIやRPAも搭載できる。
業務プロセスを再構築するためのコンサルティングや、導入後のアフターフォローも充実。
(出所:Pipefy公式Webサイト)
管理部門から営業、マーケティング部門まであらゆる職種に対応したBPMツール。シンプルなUIが特徴で、社内の業務フローはもちろん、ベンダーなど関連組織のフローも統合・管理できる。また、「Google Workspace」「Slack」「Salesforce」といった外部ツールと連携することで、業務フローの自動化範囲を広げることも可能だ。そのほかにも、タスク進捗状況管理機能や、業務フロー運用状況のレポーティング機能など、BPM推進に向けた機能が一通りそろう。
小規模なチームやグループなら無料で使えるので、スモールスタートに適している。なお、リリースは英語版のみ。
(出所:Kissflow公式Webサイト)
ノーコード・ローコードで業務フローを構築・自動化できるBPMツール。フローや入力フォームはノーコードで構築でき、反復的なアクションを自動化できる。業種別テンプレートは簡単にカスタマイズできるので、企業の独自の運用フローに合わせて柔軟に組み込める。「1週間で運用開始できた」という事例もあるほど、シンプルで使いやすいプラットフォームが特徴だ。
ISO/IEC27001やSOC、GDPRといった国際的な情報セキュリティ規格で運用されており、海外法人のある企業も使える。リリースは英語版のみ。
(出所:Process Street公式Webサイト)
コードの実装不要で、素早く業務フローを構築できるBPMツール。フローの構築から、テンプレートを用いた作業手順のマニュアル化、タスク割り当てまで、業務遂行に必要な要素をストレスなく組み込める。外部ツールやアプリへの接続を応用すれば、チームや部門全体のフロー自動化も実現可能だ。業務フローに承認フローを紐付ければ、管理者はワンクリックでそれらを確認し、承認または却下できる。そのほかにも、担当者の業務進捗共有機能や、タスクに対するコメント機能によって、組織のコミュニケーション醸成を図れる。
リリースは英語版のみだが、Webサイトに公開されているテンプレートには実装手順が分かりやすく記載されているので使いやすい。
作図や運用状況のモニタリングに強みがあり、業務フローの改善検討がしやすいBPMツールを2つ紹介します。
(出所:Ranabase公式Webサイト)
業務フローの作図に強みを持つBPMツール。ガイドラインにならって記号を並べるだけで、業務フローを簡単に作図できるのが特徴だ。作図したフローはオンライン上でチームや組織全体に共有できるほか、チャット機能や気づきを書き込める付箋機能を搭載。関係者同士での改善検討をスムーズに進められる。そのほか、業務マニュアルのクラウド一元管理機能など、現場に寄り添った機能が豊富にそろう。
Webサイトのヘルプページやオンラインマニュアルも充実。業務フローの作図代行、業務改善コンサルティング、従業員向けの研修といったオプションサービスも。
(出所:DataSpider BPM公式Webサイト)
業務フローの作成と、その後の運用状況のモニタリングに強みのあるBPMツール。アイコンをドラッグ&ドロップしながら、絵を描くような操作で簡単にフローが設計できる。そして、数種類のデータを一覧表示できるダッシュボードで、作成したフローの運用状況を可視化。BIツールだけでは見えてこないボトルネックを把握できるので、業務改善の推進に役立つ。なお、業務の処理状況をすべてログで残せるため、「いつ・誰が・どんな作業をしたか」を確認できる。
同社提供のEAIツール「DataSpider Servista」(別売)を併用すれば、専門的な技術がなくても複数のシステム間のデータ連携が可能に。
最後に、無料で使えるBPMツールを紹介します。
(出所:Camunda Platform8公式Webサイト)
業務フローの構築や、意思決定の自動化を実現する無料BPMツール。デスクトップアプリ内で簡単に業務フローが作成できる。豊富にそろったテンプレートは、プログラミングによって自在にアレンジすることもできる。また、同ツールに内蔵されたワークフローエンジンにより、フローに基づいた次のアクションを自動化。BPMN表記法に対応しているほか、RPAや外部のクラウドサービスと無料で連携できるのもポイントだ。更に、運用状況のモニタリングや、ダッシュボードへの分析結果出力にも対応。
リリースは英語プランのみ。有料プランに切り替えるとカスタマーサポートが受けられる。
自社の業務プロセスを整備すれば、無駄な業務のカットや作業効率アップが見込め、ひいては企業全体の生産性向上につなげることができます。
しかし、業務プロセスは企業によって多種多様であり、自社に合ったプロセスを一から構築するのは非常に手間がかかるもの。そこで役立つのがBPMツールです。
フローを簡単に作図できるものから、タスクの進捗管理に長けているもの、作業の自動化ができるものまで、BPMツールの機能は様々です。今使っている外部ツールと連携すれば、業務の効率を飛躍的に向上できるでしょう。
この記事で紹介したBPMツールのタイプや比較ポイントを参考に、自社にマッチしたツールの導入を検討してみてください。
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Create!JobStation(クリエイト ジョブステーション)
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