ユーザーによるセルフオンボーディング体制を構築することで、SaaSの解約率低減や売上アップを実現したい方へ。オンボーディングツールで実現できることやタイプ別の選び方、おすすめのツールを紹介します。
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オンボーディングツールとは、自社のSaaSを利用しているユーザーの利活用促進をはかるツールです。ツールを使うことで、ユーザーにわかりやすく操作手順を示したり、Webサイト内のFAQを充実させたりすることができます。
オンボーディングとは、サービスを導入し始めたユーザーの疑問点や使いづらさを解消し、利用を定着させる取り組みを指します。特にSaaSやサブスク型のビジネスは、ユーザーの継続率が売上に直結します。そのため、ユーザーに活用方法を理解してもらい、サービスの価値を体感してもらうことが重要です。
自社サービスをスムーズに使ってもらえる体制を整えることで、サービスの解約率低減や、顧客満足度の向上につなげることができます。
なお、オンボーディングツールは、新しく組織に入ってきたメンバーに業務を定着させるための教育ツールとしても活用できますが、この記事では、ユーザーに自社のプロダクトを継続的に使ってもらう目的での活用方法を紹介します。
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オンボーディングツールの導入目的は、大きく分けて「カスタマーサクセスの効率化」と「解約率低減・売上アップ」2つです。
オンボーディングツールの導入により、自社のCSのリソース不足を解消し、業務を効率化することができます。たとえば、企業側がサイト内に詳しいFAQや操作マニュアルを掲載すれば、ユーザーは企業に問い合わせることなく不明点を自己解決できるでしょう。その結果、担当者がユーザーの問い合わせに対応するリソースを削減することができます。
また、オンボーディングツールには、ユーザーの行動履歴を分析できる機能があります。具体的には、ログイン頻度やFAQへのアクセス数、問い合わせフォームへの遷移数などあらゆる行動のデータ化、数値化が可能です。ユーザーの行動を色々な角度から分析することで、優先してフォローすべきユーザーや次に起こすべきアクションが明確になり、CS業務を更に効率化できます。
オンボーディングツールは、ユーザーのサービス解約率を抑え、売上を伸ばしていく体制づくりにも活用できます。
解約率の低減を実現するには、(1)で紹介したユーザーの自己解決を促す導線構築のほか、ユーザーの状況に適したオンボーディング対策が必要です。オンボーディングツールには、ユーザーのつまずきポイントを分析し、その結果に合わせたチュートリアルを作成できる機能が充実しています。それらの機能を活かして改善を重ねることで、利用率が上がり定着化へとつなげられます。
また、売上アップを実現するためには、既存・新規ユーザーとのタッチポイントを増やすことが重要です。ツールによっては、特定のユーザーにターゲットを絞ったポップアップ通知を表示できる機能もあります。電話やメール以外の手段で広くアプローチできるため、アップセル・クロスセルの提案や、新規ユーザーの獲得につながりやすくなり、売上アップが期待できます。
ツールによっても異なりますが、オンボーディングツールは主に次のような機能を備えています。
ユーザー行動の 可視化・分析 |
設置したユーザーガイドの利用率やログイン頻度、機能の活用状況など様々なアクションを可視化・分析。分析結果を通してユーザーがつまずくポイントや非効率な操作を把握できる。 |
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チュートリアルやFAQなどのユーザーガイドの作成・設置 | Webサイト上に、サービスの操作方法やTipsを記したチュートリアル、FAQページをノーコードで作成。エンジニアに頼らず設置できる。ツールによっては、ユーザー属性に応じた個別のガイドを表示できる機能も。 |
ユーザーへ適切な操作を指示・誘導 | サイト内に、操作のヒントを記したポップアップを配置することにより、ユーザーの誤入力や認識間違いを防止。ツールによっては、ユーザーの動きを検知して、適切なFAQや問い合わせページに誘導する機能も。 |
解約やアップセルの 検知・通知 |
スコアリング・分析結果から、解約やアップセルの兆候を検知したら、CS担当者へ自動通知。対応が必要な場合には、タスク化してCS担当者にリマインドできるものも。 |
オンボーディングツールのタイプは、重視する目的によって、大きく4つに分けられます。
操作説明に強みがあり、ユーザーのセルフオンボーディングを促進するタイプ。チュートリアルやFAQ、操作ガイドなどを簡単に作成できる機能が充実しており、CSが介入しなくてもユーザーが自走できる仕組みを構築できます。
「テックタッチ」は、段階的に操作ガイドを展開する「デジタルガイド」機能や、フォームへの入力など単純操作を自動化できる「オートフロー」機能を搭載。導入直後だけでなく、継続的にユーザーの利便性を高められるようになっており、サービスの定着化が期待できます。
「Onboarding」は、ユーザーの属性や状況に応じて、個別のガイドを設定することが可能。ガイドの活用状況もデータで可視化できるため、オンボーディング体制改善のためのPDCAサイクルを効果的に回すことができます。
なお、このタイプは、自社の従業員へ社内システムの活用・定着をはかる目的での活用もできます。「テックタッチ」「WalkMe」は社内活用の事例が多く、「Onboarding」も社内のシステム移行に伴い、従業員の問い合わせ対応を効率化するために利用された実績があります。
社内システムの活用支援については、「デジタルアダプションツール6選。タイプと比較ポイントを紹介」をご覧ください。
CSの業務プロセスを最適化するタイプ。ユーザー管理、利用状況の分析、ユーザーへのアプローチなど、CS業務の効率化に役立つ機能が充実しています。
「pottos」は、カスタマーサクセス担当者の業務支援に特化したツールで、顧客のヘルス状況に応じて、タスクを自動生成できるほか、タスクの進捗状況をチーム全体で共有することも可能。対応もれを防ぐとともに、オンボーディングの属人化も解消できます。更にユーザーへのメール配信自動化など、業務負担軽減に役立つ機能も。
自社プロダクトのWebサイトの導線改善に特化したタイプには、「RightSupport by KARTE」があります。ユーザーが離脱したページや、多くアクセスされたFAQの項目など細かい動きを集計し、ユーザーがつまずくポイントを効果的に分析できるのが特長です。
作成したFAQやチャットボットが活用されていないなど、Web上にうまくコンテンツを配置できていない企業におすすめ。ノーコードでWebサイトを改修・拡張できるため、開発工数をかけずにCS部門主導で、改善を進められます。
FAQをはじめとするナレッジ作成・整理に強みのあるタイプ。ナレッジが整理されていると、ユーザーは知りたいことにスムーズにアクセスできます。
「Zendesk」は、FAQや製品説明、導入ガイドを作るためのテンプレートが豊富で、誰でも簡単にナレッジベースを作成できます。「Tayori」は、FAQやマニュアルの閲覧にパスワードをかけられる機能を搭載。特定のユーザーとの共有やフォームと連携させて表示することも可能です。
目的にあったタイプを大まかに掴んだら、次は以下のようなポイントで検討を進めていくと良いでしょう。
オンボーディングツールの中には、一部簡単なコードを使った実装が必要になるなど、すべての機能をノーコードで実装できないものも。その場合は、別途エンジニアの開発リソースが必要になりますし、状況によっては外部への委託を検討しなければならないでしょう。ツールを検討する際は、ノーコードで対応できる範囲や、コーディングが必要な場合は難易度や作業工数もチェックしましょう。
「テックタッチ」は、ページをまたいだ複雑なナビゲーションもノーコードで構築できます。エンジニアの稼働や、外部委託が不要となるため、タイムリーな対応が可能となります。
「ユーザーがどの機能を活用しているか」「つまずく点は何か」など、自社が把握したい項目をしっかり分析できるかどうかも重要なポイントです。
「テックタッチ」には、ボタン操作回数など、ユーザーが起こした特定の作業を計測できる「イベント分析」や、操作につまずいているポイントを示す「ファネル分析」機能があります。
「pottos」は、BIなど外部ツールのデータもAPI連携することができるので、より精度の高い分析を行うことができます。更に、ユーザーの利用状況に応じてヘルススコア(顧客が自社の製品やサービスをどの程度使用しているかを数値化したもの)を細かく設定することも可能で、次に起こすアクションの指標にできます。
ツールを導入してすぐに、ユーザーのセルフオンボーディング体制が整うわけではありません。より効果的に体制づくりをするため「第三者の助言や支援が欲しい」と考える企業は、別途オンボーディング体制構築支援やコンサルティングを依頼できるサービスを選ぶと良いでしょう。
支援を検討している場合は、実際にどの範囲まで対応してもらえるかを確認しましょう。導入事例に、自社と同じようなサービスが多くあると参考になります。
「Fullstar」は、15年にわたるSaaS提供実績で培ってきたノウハウに基づき、企業のCSやオンボーディングフローの再構築を支援。初めてオンボーディングツールを導入する企業や、CS体制の見直しをはかりたい企業にもおすすめです。
「pottos」は、オンボーディングサポートプログラムを用意しています。依頼企業の抱える課題や改善したい事項のヒアリングを通して、自社に合った体制を提案。初期設定からサービス運用開始まで伴走します。
サービスの活用促進に強みのあるオンボーディングツールを紹介します。
(出所:テックタッチ公式Webサイト)
ノーコードで構築でき、ユーザーのサービス活用促進に貢献するオンボーディングツール。ユーザーの操作途中に案内が表示される「デジタルガイド」機能を搭載しており、ユーザーが迷うことなく操作できる設計。ガイドの内容はChatGPTとの連携により自動編集できるため、業務負担の軽減に役立つ。
ユーザーの活用状況を分析する機能も充実しており、ユーザーが起こした特定のアクションを計測できる「イベント分析」や、サイト内のつまずきポイントを表示する「ファネル分析」機能などが搭載されている。そのほか、ユーザーの声を集めたアンケートもリアルタイムで集計でき、サービスの改善やユーザーへの個別アプローチにつなげることができる。
(出所:Onboarding公式Webサイト)
ユーザーのセルフオンボーディング支援に強みのあるツール。画面上でユーザーを案内するガイドやヒントはノーコードで構築でき、エンジニアのリソースに頼ることなく運用できる。また、画面上に通知が届くポップアップ機能は、特定のユーザーにターゲットを絞った表示が可能で、接点を持ちたいユーザーへ効果的にアプローチ。構築したガイドは、ユーザーごとのガイド利用率、ログイン頻度、機能活用状況などを分析でき、データはCSV形式でのダウンロードも可能だ。
ユーザーのセルフオンボーディング促進はもちろん、社内システムの定着をはかるための従業員向けツールとしても活用できる。
(出所:Fullstar公式Webサイト)
15年以上にわたり、SaaSを提供してきた同社のノウハウが詰まったオンボーディングツール。UI/UXはシンプルで、組織や部署に合わせたチュートリアルを作成・編集しやすいのが特長。また、プルダウンから条件を選ぶだけでユーザーのサービス活用状況が一覧表示できる「コミュニケーション管理」機能も便利。解約の兆候があるユーザーやアップセル候補が一目で分かるため次のアクションを起こしやすく、少ないリソースでのLTV最大化を見込める。
無料で始められて、必要な分だけ後から課金できる料金体系なので、まず試しにオンボーディングツールを導入してみたい企業にもおすすめだ。プランによっては、オンボーディングフローやCS体制の再構築支援も依頼できる。
(出所:WalkMe公式Webサイト)
直感的なUIで操作方法をナビゲートし、ユーザーのSaaS活用を促進するオンボーディングツール。リアルタイムでのガイド表示や、設定ルールに則ったデータの入力制御機能などを通して、ユーザーにとっての使いやすさとCS業務効率化の双方にアプローチする。自動ボットにも対応しており、想定質問に合わせた回答を設定することで、ユーザーの不明点に即時対応できる体制構築を実現。
ユーザーの分析には、「Salesforce」をはじめとする顧客管理システムや人材管理システムなど様々な外部ツールを連携可能。利用者数は世界で3,500万人以上を誇り、国内でのシェアも高い。
CSの業務効率化にも対応するオンボーディングツールを紹介します。
(出所:pottos公式Webサイト)
CSが担う一連の業務をきめ細かくサポートするオンボーディングツール。CS担当者のタスク管理や進捗状況をチームで共有できる機能があり、対応漏れの防止や業務の円滑化をはかることができる。ユーザー分析機能においては、独自のトラッキングコードをもとにした継続率・解約率の計測のほか、BIなど外部ツールとのAPI連携も可能。分析結果を見ながらヘルススコアを細かく割り当てることができ、ユーザーに合わせたアクションを起こしやすい設計になっている。
サポート体制も手厚く、初期設定の段階から実際の運用開始まで同社のスタッフが伴走するため、初めてオンボーディングツールを導入する場合でも安心だ。
(出所:Growwwing公式Webサイト)
顧客データを一元管理し、LTVの最大化を実現するオンボールディングツール。カスタマーカルテ・ダッシュボード機能により、ユーザーの課題やLTVの推移、ヘルススコアなどを一目で把握でき、効果的な営業活動をサポートする。「感謝・感動に繋がった行動」などをブレイブック(チームで勝つための戦略集)に登録することで、成功体験を社員間で共有可能。その事象を再現するためのタスクが自動生成されるため、属人化の抑制も期待できる。
支援サービスにも強みがあり、使い方に不明な点があれば、コールセンターに問い合わせられるほか、技術的な悩みも無料の面談サービスで直接相談できる。また、自社サービスの情報整理やCS活動内容の設計など、コンサルティング面の支援も充実している。
Webサイトの導線改善に強みを持つオンボーディングツールを紹介します。
(出所:RightSupport by KARTE公式Webサイト)
Webサイトの導線改善に特化したオンボーディングツール。サイト全体を見ながら、アクセス数の多いFAQや離脱につながったページなど、ユーザーのあらゆる行動を分析。ユーザーの行動傾向から逆算したサイトの導線や対応策を検討しやすい仕様になっている。
ノーコードで使えるため、FAQの配置変更はもちろん、サイト全体の改修・拡張にも柔軟に対応できる。大手金融機関や食品会社など、多種多様な業界での導入実績あり。
最後に、FAQなどのページ作成が簡単なオンボーディングツールを紹介します。
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(出所:Zendesk公式Webサイト)
Webサイト内のFAQやナレッジベースの構築・管理に重きを置いたオンボーディングツール。FAQサイトや製品説明、導入ガイドを作るためのテンプレートが豊富で、初めてでも簡単にページを作成できる。ユーザー分析においては、記事のアクセスやコメント数、FAQの内容でユーザーが自己解決に至ったかなど、今後のサービス改善に役立つ観点での分析が可能。作成した記事は40カ国語以上の言語に自動翻訳できるので、海外に多くユーザーを抱えている場合でも使いやすい。
(出所:Tayori公式Webサイト)
FAQをはじめ、Webフォームやアンケート、サポートチャットを簡単に作成できるオンボーディングツール。FAQは、テンプレートに沿って質問と回答を入力するだけで作成可能。編集もワンクリックで簡単なうえ、大規模な改編もCSVで一括対応できる。FAQの項目ごとにパスワードを設定して閲覧制限をかけることもできるので、特定のユーザーとの共有や社内マニュアルとしても活用できる。
個人であれば無料で使えるため、本格的な導入の前に操作や使用感を試せるのも嬉しいポイント。
優れたセルフオンボーディング体制は、ユーザーとSaaS提供企業の双方にメリットをもたらします。ユーザーは不明点やストレスを抱えることなくサービスを利用できるため、解約率の低減、満足度向上につながります。一方、企業側はユーザーの状況に合わせた的確なサポートがしやすくなり、CS体制の更なる効率化が見込めます。
このように、ユーザーと企業がWin-Winになるような状態をサポートするのがオンボーディングツールです。
オンボーディングツールは、ノーコードで構築できるものをはじめ、CS部門のタスク管理ができるもの、オンボーディング体制構築支援が手厚いものまで様々です。本記事で紹介した選定ポイントや目指したいゴールを踏まえながら、自社に合ったオンボーディングツールを選んでみてください。
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