最終更新日:2023-02-08
バックオフィスに似たような質問が多く寄せられる場合は社内FAQで対応負担を軽減すべきです。そのためには何をすべきか具体的にご紹介します。
社内FAQとは、社内各所から担当部署へ寄せられる「よくある質問」に対して、社内FAQを用意することで、担当部署へ質問しなくとも、自己解決できるようにするための仕組みです。
社内での問い合わせ例としては、「有給休暇の取得方法を人事に質問する」「経費精算の方法を経理部門に質問する」「社内Wi-Fiへのつなぎ方を社内情報システム部門に質問する」といったことが挙げられます。
従業員数の多い企業では、経理、人事、総務や社内情報システム部門などに頻繁に同じような質問が寄せられると、質問を受ける側は、質疑応答に時間をとられて、本来取り組むべき業務が進まない、という事態もあり得ます。そのような事態を避けるためにも、社内FAQの活用は有効です。
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社内FAQの導入メリットとしては、以下の4点が挙げられます。
通常、社内問い合わせのうち、何割か以上は「よくある質問」で解決できます。先に挙げた休暇などの申請方法、経費精算方法やPCの使い方などは同じような質問が多く寄せられがちです。社内FAQがあれば、従業員に疑問が生じても自身で回答を見つけてもうらうことで自己解決が進み、電話やメールでの問い合わせがなくなります。
質問対応が本業ではないバックオフィス部門にとって、忙しいときに、何度も同じような質問を受けるのはストレスにつながります。たとえ質問件数が少なくとも、「せっかく業務に集中していたのに、質問の電話がかかってきた」、「決算対応で繁忙期なので応対している場合でない」という状況においては特にストレスになりがちです。各部門が余計なところでストレスを抱えることなく、業務を円滑に進めてもらうためにも社内FAQは有効です。
小売や物流などの企業では、土日や夜間でも店舗や営業所で営業していることがあります。そこから問い合わせに備えて、本社にてローテーションで質問対応用のスタッフを配置することがありますが、平日と違って、スタッフが手薄なので、出勤しているスタッフが詳しくない領域の質問だと、上手く答えられないという問題があります。社内FAQがあれば、土日や夜間でも質問が解決できるようになります。
特定の業務をいつも同じ社員が対応している場合、いざその社員が休んだ、あるいは退職してしまったとなると、業務内容はその社員しか知らないので他の社員では対応できない、という問題が起こり得ます。社内FAQを用意すると、よくある質問を中心に、どうやればよいかが文章化されますので、社内のナレッジ化が進みます。
社内FAQを導入して社内各所からの問い合わせを削減するには、「社内FAQへの導線づくり」、「社内FAQの検索性改善」、「回答がわかるFAQコンテンツ作り」という3つの方法の実践が重要です。
社内FAQで問い合わせを削減するために重要なのは社内FAQへの導線づくりです。せっかく社内FAQを作成しても、どこに社内FAQがあるのかわからない、あるいは、社内FAQで検索するよりも聞いてしまった方が楽だから電話してしまおう、となっては問い合わせがなかなか減りません。
そのため、次のように必ず目に触れる場所に設置したり、案内したりすることが重要です。
社内FAQに到達した人には、簡単に知りたいことが見つかるように案内することが当然ながら重要です。単にキーワード検索をできるようにしただけでは探せないことが多いため、次の観点などで社内FAQを継続的にチューニングしましょう。
寄せられる質問は様々といっても、頻度の高い質問に偏りはあります。頻度の高い質問がヒットするだけでも、効果が相当高まりますので、頻度の高い「よくある質問」をリストアップして回答を用意しましょう。検索データがなくても、普段問い合わせを受けている人が、記憶を頼りに、よくある質問をリストアップするだけでも十分効果的です。
あるキーワードで検索すると、回答が10個以上出てきて、そこから回答を探すのが大変ということがあります。それを避けるには、検索頻度の高いキーワードの検索結果について、正しい回答が上位に表示されるよう調整する必要があります。調整方法はFAQシステムの機能次第になります。たとえば、全文検索の場合は、タイトルや回答文の表現の見直し、タグ機能がある場合はタグの変更を行います。
回答が記載されているFAQページであっても、回答がわかりにくい、回答内容が不十分で説明しきれていないなどがありがちです。最初から完璧なFAQコンテンツを作成しようとすると、どのページも説明を充実させなければならず大変です。効率的に進めたい場合は、可能な範囲で作成したFAQページで運用をスタートさせて、「FAQにあるのに質問が減らない」という質問に対して、検索やFAQコンテンツのチューニングを随時行っていくようにしましょう。
社内FAQの作り方としては、以下の手順がおすすめです。
まず、「1.社内FAQのコンテンツ候補のリストアップ」として、社内FAQで解決したい質問を集めます。普段質問を受けている担当者の記憶やメモの中によくある質問があれば、それを書き出してもらいます。手がかりが集めにくければ、よく質問を受けるテーマ、たとえば、ある業務システムの使い方であれば、その業務システムの重要な操作を対象にするといった進め方があります。
「2.FAQコンテンツの作成」では、想定質問に対して回答を作成します。ポイントは、前述の通り、最初から完璧を目指さないことと、既存コンテンツを活用することです。たとえば、マニュアルがあれば、それをそのまま入れる、といったことも考えらえます。
「3.FAQシステム」については、FAQコンテンツの作成や更新のしやすさ、検索性のしやすさなどでFAQシステムを選びます。選び方や候補システムについては「FAQシステム比較13選!3つのタイプに分けて選び方を紹介」で詳しくご紹介しています。
「4.FAQシステムへのコンテンツの登録と検索設定」については、作成したFAQコンテンツを登録していきます。回答がわかりにくい箇所については、画像や動画を挿入するといった工夫も有効です。
最後の「5.社内FAQシステムの試験運用とチューニング」について、「検証用」であることを明確に伝えた上で、見切り発車でも少しずつ利用していきましょう。最初は検索もコンテンツも不十分でも、指摘を受けた点、気づいた改善を反映させていけば十分な社内FAQになります。試験運用を数カ月間確保してコンテンツと検索性を継続的にチューニングできれば、問い合わせ削減に貢献する社内FAQシステムになります。
本記事では社内FAQシステムを前提としてご紹介してきましたが、チャットボットも選択肢になります。
チャットボットのうち、AI型で大量の学習データが必要なものは数不足などの問題で適さない場合がありますが、最初から学習済みでAIを使えるタイプ、シナリオ型で使うタイプ、検索機能を使って一問一答で使うタイプなどはスムーズに導入できます。社内ポータルや業務システムの画面上にチャットボットのアイコンを置いておき、クリックすると会話画面が立ち上がる、のような使い方はチャットボットが得意としているかたちです。
主なFAQシステムは、社外向け・社内向けどちらにもよく利用されています。「社内向けだからこそ必要な機能」というのはあまりない傾向になりますので、主なFAQシステムから選べばよいでしょう。
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(出所:Zendesk公式Webサイト)
Zendeskは世界で10万社以上の導入実績を誇るカスタマーサポートツールで、FAQ機能にも強みを持つ。表現力豊かなコンテンツ作成機能、検索性を高めるサジェスト機能やタグ機能などを保有。大規模ユーザーだけでなく、小規模ユーザーが最初の一歩として利用するにも適している。
機能としては、FAQ機能の他、問い合わせ管理機能、チャットボット・有人チャット機能、自動音声応答などを含むCTI機能などを備えている。
(出所:sAI Search 公式Webサイト)
AIと高速・高精度の検索が強みのFAQシステム。チャットボットの「sAI Chat」も提供。検索窓にテキストを入力すると回答候補が瞬時に表示される快適性。「急上昇トピック」や「カテゴリ」での検索にも対応。シングルサインオンによる認証も可能。
(出所:アルファスコープ公式Webサイト)
ナレッジ精度の向上によって、ユーザーの自己解決を支援するFAQシステム。ユーザー向けFAQ、社内向けFAQ、チャットボットなど、社内ナレッジを1つのデータベースで運用可能。テキストマイニングによる高精度な検索機能に加え、ナレッジ精度を高める豊富な分析機能に強み。継続的なメンテナンスによってFAQを最適化できる。
(出所:Service Cloud公式Webサイト)
FAQに加えて、問い合わせ管理やチャットなどの機能を備えるカスタマーサービスツール。顧客管理に強みを持ち、蓄積された豊富なデータを活用して、顧客一人ひとりの要望に沿ったコミュニケーションが可能。
FAQ機能は、社内向けと社外向けの両方に対応。質問を入力していく途中で、関連する記事を「推奨ナレッジ」として表示させたり、記事にキーワードを関連づけて、特定のキーワードで検索した際に、既に関連づけられている記事を優先的に表示させたりすることで、検索結果を最適化。ユーザーの自己解決を促進する。
(出所:Helpfeel公式Webサイト)
検索性に強みを持つ社内ナレッジ検索SaaS。情報システムをはじめ、総務、経理、人事労務といった部門が担っている社内問い合わせの負担軽減に貢献する。
独自の特許技術と生成AIによる「意図予測検索」機能を搭載。漢字とひらがなの表現の違いはもちろん、感覚的な表現やスペルミスにも対応。文章の意図を汲み取った検索が行えるため、従業員自身での問題解決を促進する。手厚い伴走支援も提供しており、社内FAQサイトの構築やコンテンツ移行、分析ノウハウの共有など、専門チームがサポートしてくれるのも魅力だ。
(出所:Qast公式Webサイト)
シンプルな操作性で、誰でも簡単に社内FAQを作成できるナレッジ経営クラウド。匿名投稿に対応しているため、質問しにくい内容でも聞きやすい環境を構築。投稿されたQ&Aはフォルダとタグで分類できるため、キーワードを入力せずにタグをクリックするだけで、探したいFAQを簡単に見つけることができる。また、投稿者を限定する、閲覧や検索を行うことができる社員を限定するといった権限設定も柔軟に行うことが可能だ。
更に、どのようなFAQが多く読まれているのかを分析できるダッシュボード機能も搭載。自社にとって有益なナレッジを効率よく見つけ出せる。
(出所:PKSHA FAQ公式Webサイト)
Q&Aコミュニティサイトの運営経験を活かした開発されたFAQシステム。社内FAQの利用実績も豊富。テンプレートによる回答作成支援やサジェスト検索などにも対応。閲覧数と検索ヒット率のフィット&ギャップ分析でチューニングが進む。
続いて、チャットボット型のサービスをご紹介します。社内向けに特化したサービスもあります。
(出所:PEP公式Webサイト)
社内向けにも対応した問い合わせ対応の自動化に強みを持つAIチャットボットツール。Slack、Teams、LINE WORKSなどのビジネスチャットツール上で質疑応答ができるので、従業員にとっても使いやすい。質問だけでなく、社内規程、業務マニュアルや申請フォーマットなどの探索にも利用できる。
チャットボットは一問一答にもシナリオにも対応。シナリオ作成は画面上でのドラッグ&ドロップで作成できるのでエンジニア以外でも扱いやすい。API連携を通じて社内ポータルや勤怠管理システム、CRMなどから呼び出して使うこともできる。
(出所:HiTTO公式Webサイト)
社内向けに特化したAIチャットボット。人事・総務・法務・経理・IT・広報などの部門における「よくある問い合わせ」を予め学習しているので、利用当初から回答正答率が高いのが強み。
利用に際しては、「有休の申請方法」「産休の申請方法」などが記載されたリストから、使いたいものを選択して回答内容を登録するだけ。質問パターンを作成したり、類義語を登録したりすることなく始められる。さらに、導入時は専任の担当者が従業員への浸透・活用まで支援するので、社内での定着が期待できる。
(出所:NotePM公式Webサイト)
FAQの作成から活用、更新まで一連の工程を効率化できる社内wikiツール。高機能エディタ・豊富なテンプレートに加えて、画像編集・動画共有も可能ため、わかりやすいFAQを簡単作成できる。更に、タグ検索や全文検索など強力な検索機能を備えているため、目的のFAQを探し出すのも簡単。
公開後のFAQを活用するための機能も豊富で、閲覧数の確認はもちろん、いいね!やコメント機能も搭載。「反応の少ないFAQは閉じる・改善する」「コメントを受けた部分を修正する」など効率的なメンテナンスも期待できる。
従業員数がそれほど多くなく、FAQシステムを導入して本格的に環境構築するほど問い合わせがあるわけではないけれど、今後を見据えて問い合わせを削減する仕組みを用意したいという場合は、Excel形式のシートや社内Wikiなどの情報共有ツールも有効です。
たとえばExcel形式の場合、Google Workspaceを導入している会社であれば、GoogleスプレッドシートにFAQのシートを部署別もしくはテーマ別に用意して、質問文と回答文をテキストで作成していく、質問者にはそこで探してもらう、というだけでも十分効果的です。スプレッドシートには追記や更新がしやすいというメンテナンス面でのメリットもあります。
同様に、検索機能が付いた社内Wikiや社内情報共有ツールによくある質問と回答を書きためて、質問する前にそこで回答を探してもらうようにするのも手です。
社内からの問い合わせ対応は応対者の負担が大きいので、できるだけ自己解決できる仕組みを用意して、問い合わせする必要をなくすることが肝要です。
社内FAQ導入となると、FAQコンテンツの準備や検索の仕組みはどうしようか、FAQシステム運用後は更新していけるだろうか、と少し不安もあるかもしれませんが、負担少なくスモールスタートする方法はいくらでもあります。それに社内FAQの整備が進めば、問い合わせが少なくなり関係者の負担が減りますので、将来効率的な働き方を実現するためには、とても有効な取り組みです。
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