最終更新日:2024-10-04
チャットボットの導入により、ユーザーの問い合わせ対応を自動化したい方や、見込み客を逃さずCVに結び付けたい方へ。シナリオ型チャットボットの活用シーンや注意点、選定ポイントとともに、おすすめのチャットボットを紹介します。
シナリオ型チャットボットとは、読み込ませたシナリオをもとに、ユーザーの質問に自動で回答するプログラムを指します。企業のWebサイトのトップページに設置されているケースが多く、ユーザーの質問にチャットで返答します。
シナリオ型チャットボットは、その名の通り、「こう聞かれたら」「こう返す」というシナリオに沿って受け答えしています。ユーザーの意図を真に理解して回答しているわけではありません。
利用に当たって、企業は事前にユーザーから寄せられることの多い質問の選択肢を設定し、それに対して、回答を割り振っていく必要があります。たとえば、「どのようなことでお困りですか?」という質問について、「サービスについて知りたい」「料金について知りたい」「契約・解約したい」「その他」といった選択肢を設定し、ユーザーの選択によって回答を分岐させ、やがて目的とする回答にたどりつかせるという仕組みです。
質問と回答を枝葉のように広げていくことから「樹形図」、または「設計図」「フローチャート」形式とも呼ばれています。
シナリオ型以外に代表的なのが、AIがユーザーの質問の意図を読み取り、自動で回答を提示する「AIチャットボット」です。シナリオ型チャットボットの特徴やメリットを、AIチャットボットと比較しつつ解説します。
シナリオ型チャットボットは、既に企業で用意されているFAQ(よくある質問)をベースにシナリオを作成するため、比較的短時間で導入できます。蓄積されたデータをもとに学習し、質問の精度を高めていくAIチャットボットに比べると立ち上がりが早いのも特徴。多くは導入準備が終わったらすぐに運用を開始できます。
シナリオ型チャットボットは、ユーザーに限られた選択肢から質問を選んでもらうことで、会話を分岐させ目的の回答にたどりつく設計になっています。AIチャットボットに比べると、学習やチューニングの手間がかからない分、短時間で正確な回答を提供しやすいというメリットがあります。
シナリオ型チャットボットは比較的シンプルな設計のため、AIチャットボットと比べて導入コストを抑えられます。月額1万円以下でも利用できるものも多く、小規模な企業でも無理なく導入可能です。
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シナリオ型チャットボットを利用する上で最も留意すべき点は、「利用用途を限定する」ことです。
「どんな質問にも答えられるように」とシナリオの選択肢を増やし過ぎると、ユーザー側はなかなか回答にたどり着けません。これがユーザーのストレスとなって離脱の原因となり、チャットボットの利用率自体が低下したら本末転倒です。このような状況を防ぐためにも、シナリオ型チャットボットを利用する場合はあらかじめ用途を限定しておくのがおすすめです。
一例として、
など、メリハリのある使い方が大事です。
続いて、シナリオ型チャットボットの効果的な導入事例を2つご紹介します。どのようなシーンで、どのような効果が期待できるのか、具体的に見ていきましょう。
【課題】コロナ禍で、ECサイトでお中元・お歳暮を買うユーザーが増えたことにより、「贈り先の登録方法がわからない」など操作に関する問い合わせが急増。百貨店を利用するユーザーはWebサイトの利用に慣れていない層も多く、企業側は対応に膨大な時間を割かなければなりませんでした。
【施策】繁忙期に備えて、ECサイトにシナリオ型チャットボットを導入。住所登録など自動回答できる範囲の問い合わせはチャットボットに任せ、それでも解決に至らない場合のみ従業員がチャットで案内することにしました。
【効果】問い合わせ対応時間が約半分に短縮され、従業員の負担を大幅に軽減。また、従業員の稼働時間外の問い合わせにも自動回答で対応できるようになり、CVアップにつながりました。
【課題】ユーザーから「Webサイトにログインできない」などの似たような質問が毎日のように寄せられ、問い合わせ対応に追われる日々。簡単に答えられる問い合わせを自動化すべく、シナリオ型チャットボットを導入しました。
【施策】「よくある質問」に自動回答できるように設計したチャットボットを、Webサイトや連携しているLINEなど複数箇所に設置。あらゆるチャネルからの問い合わせにも対応できる体制を整えました。
【効果】チャットボットに回答を任せることで、従業員は別の業務にリソースを割けるように。また、ユーザーの認知が広がったのか、よくある問い合わせ自体が月数十件から月数件に減少しました。
シナリオ型チャットボットに読み込ませるシナリオの作り方と、運用法を解説します。
まずは、シナリオ型チャットボットの導入により何を実現したいのか、目的を明確にしましょう。目的によって、選ぶべきツールやシナリオの作り方が変わってくるからです。たとえば、導入により「CVRをアップしたい」場合は、ユーザーのアクションを分析する機能が豊富なツールを選んだり、各シナリオのCVを計測できるように設定したりする必要があります。
シナリオ型チャットボットの利用が想定されるユーザー像を、「年齢層」や「性別」、「嗜好」などを踏まえて設定します。また、ターゲットを既存ユーザーにするのか、新規ユーザーに定めるかでもシナリオの作り方が変わってきます。ユーザー像を浮かべながら、想定質問・回答の粒度やトンマナを調整する意識が必要です。
設定したユーザー像が持つ疑問点や知りたいことを想定して、シナリオの質問と回答を組み立てていきます。既に自社でFAQやマニュアルを保有していれば、それをベースに組み立てるのがおすすめ。ただし、長すぎる回答はユーザーの離脱につながるので注意が必要です。
想定質問と回答の分岐を、一度フローチャートに記してみましょう。たとえば、詳細をFAQページに委ねるとしたら、「どこのURLに遷移させるか」「どのタイミングで誘導するか」。オペレーターへの切り替えに関しても同様です。分岐点をどこに設置するかが重要になってきます。
描いたシナリオのフローをチャットボットに落とし込みます。設定方法はツールによっても異なりますが、ドラッグ&ドロップで質問と回答を移動させ、矢印でつなぐなど直感的に操作できるタイプが多いです。また、できあがったシナリオはテストをして、想定質問に対する回答が適切に行えるかをチェックしましょう。
チャットボットは導入したら終わりではありません。運用後のユーザーの反応やニーズに合わせて、適宜メンテナンスしていくことが重要です。メンテナンス方法は、具体的に以下の方法が挙げられます。
これらの作業を繰り返して、ユーザー満足度を高めていきましょう。
シナリオ型チャットボットを選ぶポイントを4点紹介します。
シナリオ型チャットボットを導入する規模や業種によって、ユーザーの質問はある程度固定されます。ツールによっては、想定されるQ&Aをテンプレート化して用意しており、運用に移りやすいです。
たとえば、「チャットプラス」は、「EC・小売」「不動産」など業界ごとに使えるシナリオテンプレートが豊富。イチからシナリオを設定する手間がかかりません。「tetori」は、チャットボットのデザイン自体もテンプレート化しているので、クリエイティブのセンスの如何を問わずスピーディーな運用が可能です。
チャットボットの回答がユーザーの納得を得られない場合や、ユーザーがより詳しいサポートを求めている場合に対応できるよう、有人チャットに切り替えられる機能があるかをチェックしておきましょう。
たとえば、「qualva」は、シナリオ型チャットボットだけでは解決できない場合、オペレーターへすぐに切り替えできます。また、シナリオに動画や画像を組み込む仕組みもあり、きめ細やかなカスタマーサポートをアシストします。
また「Zendesk」の場合、オペレーターが稼働時間外の際は、ユーザーにメールアドレスを入力してもらい、後にオペレーターにつなぐような動線を設計できます。
導入を検討しているシナリオ型チャットボットが、外部ツールと連携できると便利です。考えられるものとしては、CRM(顧客管理システム)との連携が挙げられます。チャットボット上で取得したユーザー情報をそのまま反映でき、情報を転記する負担を削減できます。
たとえば、「CraftChat」は外部サービスとの連携に長けており、「Salesforce」「Hubspot」「Marketo」といった各種CRM/MAに加えて、社内向けチャット「Slack」など、普段利用しているツールと柔軟に組み合わせられます。
そのほか、「SYNALIO」は、ECサイト構築システム「EC-CUBE」にチャットボットで収集したデータを連携可能。ECサイトを運営している企業の業務効率化に貢献します。
イチからシナリオを設計するリソースが足りない場合、またはCVにつなげるための最適な会話を組み立てたい場合は、シナリオの設計をサポートしてくれる仕組みがあると便利です。
たとえば、「Zeals」の場合、専属のコミュニケーションデザイナーが、CV獲得に最適なシナリオを提案してくれます。料金もCVに応じた成果報酬型なので、チャットボットの導入によって確実にCVR向上を目指す企業におすすめです。
「Tebot」は、同社のスタッフがシナリオの作成を無料でサポート。初期設定まで伴走するため、初めてシナリオ型チャットボットを利用する企業も安心です。
問い合わせ対応の効率化だけでなく、CVRアップも見込めるシナリオ型チャットボットを紹介します。
(出所:zeals公式Webサイト)
LINEをはじめ、Instagram、デジタルサイネージなど様々なメディアで構築できるシナリオ型チャットボット。同ツール内にRPA(定型業務を自動化できる技術の一種)が搭載されているのが特徴。たとえば、ユーザーの名前や住所などの情報をボットがヒアリングすると、その情報を指定のフォームに自動で転記。社内の業務負担軽減につながる。また、ユーザーの過去の回答データから属性を判断してセグメントを作成可能。セグメントごとに画一化しないシナリオを設計・配信することで、ユーザーに寄り添ったコミュニケーションが実現する。
導入の際は、同社専属のコミュニケーションデザイナーが、ユーザーの行動を後押しするようなシナリオを提案。料金もCVに応じた成果報酬型なので、チャットボットの導入によって確実にCVR向上を目指す企業におすすめ。
(出所:SYNALIO公式Webサイト)
ユーザーの行動や会話データをもとに、シナリオのブラッシュアップをはかれるチャットボット。本ツールの機能は、ユーザーデータの「取得・分析・活用」の3種類に分けられる。取得機能においては、シナリオをフローチャート形式で自在に編集できるエディタを実装。分析機能においては、ユーザーのWebサイトアクセス数や流入チャネルとともに、チャットの利用率や離脱ポイントまで多角的なデータを取得できる。更に、各シナリオにCVの条件を設定しておくことで、CV率も細かく測定。より効果の上がっているシナリオを特定し、他のシナリオの改善に結び付けられる。活用機能に関しては、収集したユーザーデータを「Salesforce」やECサイト構築システム「EC-CUBE」などの外部システムと連携できる機能を搭載。
(出所:qualva公式Webサイト)
シナリオ型FAQをはじめ、チャット内でのビデオ通話やリアルタイムチャットといった多彩な機能を備えたチャットボットツール。複雑なシナリオ設定に対応しているほか、動画や画像をシナリオに組み込むことで、ユーザーの商品やサービスへの理解を促すことも可能。AIによる自動返信や、無人対応から有人対応へのスムーズな切り替えも行えるため、状況に合わせた柔軟なコミュニケーションを実現できる。更に、専門サポートチームがシナリオを最適化するため、オペレーターの工数削減にも貢献する。
同シリーズの「qualva EFO」を活用すれば、Webフォームの最適化やチャットボットのシナリオABテストを実施でき、CVRの向上も図れる。
(出所:CraftChat公式Webサイト)
会話を通じてユーザー情報を収集し、マーケティング活動を強化するシナリオ型チャットボット。直感的なUIとドラッグ&ドロップ操作でシナリオを簡単に作成できるほか、豊富なテンプレートやエラー自動判定機能を活用することで、効果率的なチャットボットの構築を実現する。フォルダ形式の管理機能も備え、複雑なシナリオでも整理しやすい。
Facebook Messenger、Instagram、LINE、Webサイトなど、多様なチャネルに対応。画像や動画、カルーセルといった豊富なメッセージ形式も提供している。更に、シナリオ分析や離脱分析などのデータ分析機能も充実しており、マーケティング効果の最大化に貢献する。
(出所:tetori公式Webサイト)
シナリオの作成から導入効果の分析まで一気通貫で行えるチャットボット。業種や利用用途ごとに100種類以上のシナリオテンプレートを用意。更に、ボットのデザインもテンプレート化して提供しているので、クリエイティブのセンスを問わずスピーディーに運用可能だ。
ユーザーを分析する機能も充実。アクセスしてきたエリアやデバイス、サイトの滞在時間、リピート率などあらゆる角度の情報をダッシュボードに表示。データをもとに、ユーザーを離脱させない導線の改善がしやすい。更に、改善施策を行う前と後の効果も計測可能。グラフを見ながら効果の有無を明確に判断できるのもポイントだ。
最後に、問い合わせ対応の効率化におすすめのシナリオ型チャットボットを紹介します。シナリオ型だけでなく、AI型とのハイブリッドも多く、幅広い問い合わせに対応できるものが揃っています。
(出所:チャットプラス公式Webサイト)
20,000社以上の導入実績を誇り、数多くのチャットボットを開発してきたノウハウをもとに、シナリオを自在にカスタマイズできる。業界の特性にあわせたシナリオテンプレートを豊富に用意。「EC・小売」「不動産」「学校」など、業界別のテンプレートから選べるので、イチからシナリオを作る手間がかからない。有人チャットも備えており、訪問者にあわせて臨機応変な対応も実現。無人から有人への引き継ぎもオプションによってスムーズに。オペレーターが回答する際に役立つ、Q&Aの予測表示機能も搭載している。
SlackやTeams、Salesforce、Googleアナリティクスなど、普段使用しているツールや外部システムにも幅広く連携が可能だ。
(出所:Zendesk公式Webサイト)
カスタマーサービスを効率化するツール「Zendesk」の機能の一環で提供されているシナリオ型チャットボット。チャットボットを作るには、同ツールの「メッセージング機能」を利用する。フローチャート編集画面では、回答を自在に分岐させたり参考記事を表示する回答を設定したりできる。チャットボットで解決に至らない質問や営業時間外の問い合わせが来た場合は、ユーザーにメールアドレスを入力してもらい、後にオペレーターにつなぐような動線も設計可能。
また、本ツールではAI搭載型ボット「Answer Bot」も実装可能。AIが、ユーザーの問い合わせに対して関連記事を自動で提案したり、ユーザーが入力したキーワードから質問の意図を読み取り、解決策を提示したりする。
(出所:Tebot公式Webサイト)
カスタマーサポートの業務負荷を約30%削減した実績を持つシナリオ型チャットボット。「シナリオ登録」機能により、想定される質問と回答をフローチャートで作成。シナリオは、同一価格で設計し放題なので、値段を気にせず利用できる。チャットボットでの回答が難しい問い合わせが来たら、オペレーターへすぐに切り替えできるのも便利だ。その他、社内で利用しているCRMやプロジェクト管理ツールなどの外部システムと柔軟に連携できる。
導入の際は、同社のスタッフがシナリオの作成を無料でサポート。初期設定まで伴走するため、初めてシナリオ型チャットボットを利用する企業にもおすすめだ。
(出所:GoQSmile公式Webサイト)
プログラミング不要で、WebサイトやECサイトに簡単に設置できるシナリオ型チャットボット。AIが搭載されているが、ベースはシナリオを組み立てて運用していく。シナリオの設定方法は簡単で、専用のフォームに質問と回答を入力していくだけ。一問一答のほか、複数の選択肢の展開も可能なうえ、CSVで質問、回答を一括登録もできる。
AIを活用する場合は、ユーザーの自由記述にも対応。特定のキーワードから質問の意図を汲み取り、的確に回答する。更に、チャットボットが回答できなかった質問や単語を都度登録しておけば、回答精度が高まるのも心強い。有人チャットへ切り替える機能を搭載したプランもあり、問い合わせ対応の更なる効率化に貢献する。
シナリオ型チャットボットを設置する最大のメリットは、ユーザーの質問に素早く的確に回答できること。また、対象製品の購入や、サービスの資料請求などユーザーの行動を後押しする導線を作りやすく、CVRアップを期待できることも利点です。
シナリオ型チャットボットは、ノーコードで比較的簡単に実装できるものが多いです。各ツールが提供しているシナリオのテンプレートや、自社でストックしているFAQを活用すれば運用できるので、導入におけるハードルは高くないと言えるでしょう。
中には、CV効果を正確に計測できるツールやCVに結び付きやすいシナリオを提案してくれるサービスも。ぜひ本記事を参考にしながら、自社に合ったシナリオ型チャットボットの導入を検討してみてください。
シナリオ型チャットボットをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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