DXによってチェックイン業務の効率化・省人化・自動化を進めたいと考えている、ホテル・民宿運営企業の方へ。宿泊客がセルフでチェックインする専用システムの概要や機能(できること)、システムのタイプと選び方、比較のポイントをおすすめのシステムとともに紹介します。
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セルフチェックインシステムとは、ホテルなどの宿泊施設で、宿泊客自身によるチェックイン(セルフチェックイン)を可能にするシステムです。施設側はフロントにスタッフを置く必要がなくなり、宿泊客側はフロントとのやりとり不要でスムーズにチェックインできるようになるほか、以下のようなメリットがあることから、導入が進んでいます。
主に、以下の3点のようなメリットが得られます。
チェックイン・チェックアウト業務をシステムに任せられる分、スタッフはマンパワーが必要な別の業務に時間を当てられます。外国語に対応しているシステムを利用すれば、外国人スタッフを雇わなくてもインバウンド対応が可能に。
チェックインにまつわる業務時間を大幅に短縮。オンシーズンの場合、カウンターでの行列や混雑の緩和にもつながります。
非接触受付によって、宿泊客とホテルスタッフ双方の感染症リスクを低減しながら業務を進められます。
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セルフチェックインシステムのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
ホテル管理システムの選び方ガイド
システムによって差はありますが、多くのセルフチェックインシステムに搭載されている主な機能は以下の通りです。
チェックイン/チェックアウト | 宿泊者のスマホや設置したタブレット端末を活用して、チェックイン/チェックアウトを自動化する機能。 |
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サイトコントローラー経由での予約情報の取得 | 外部予約システムから予約情報を取得することで、自社システムに転記する手間が省けます。また、転記ミスの防止にも役立ちます。 |
宿泊者情報の入力(記帳)と名簿作成 | システムに入力された宿泊者情報を自動で台帳に登録・管理。入力作業の自動化によって、業務量の軽減、人的ミスの防止につながります。 |
パスポートデータの取得 | データをスキャンすればパスポートを預かってコピーや保管する必要がなくなります。 |
本人確認 | AIカメラなどを用いて、パスポートや顔を認証。外国語に対応しているシステムなら、語学に長けたスタッフを配置しなくても、スムーズに確認作業が進められます。 |
鍵の受け渡し | ナンバーキーの発行、スマートロックとの連携などにより、無人での鍵の受け渡し・破棄を実現。直接渡したい場合、コンビニでの受け渡しに対応したシステムもあります。 |
部屋割り機能や決済機能があるシステムなら、チェックイン/チェックアウト以外にも、様々な業務を効率化できます。
セルフチェックインシステムを大きく4つのタイプに分けて、おすすめの活用シーンとともにそれぞれの特徴を解説します。
予約や顧客の管理などができる、ホテル管理システム(PMS/Property Management System)の1機能としてセルフチェックイン機能が搭載されたタイプ。チェックイン/アウト業務だけでなく、ホテルの管理業務全般を効率化させたい場合に適しています。
代表的なシステムの一つが「aipass」。スマートチェックインやスマート決済などの機能で、予約・客室・売り上げなどの管理を一元化し、集客効果の向上につなげます。
ホテル管理システムをお探しの方や、ホテルの運営・管理業務の効率化に関心がある方は、「ホテル管理システム(PMS)の比較15選。タイプ別の選び方」もご覧ください。
セルフチェックインシステムの中でも、ホテル運営に特化したタイプ。受付にタブレット端末などを置いて、簡単な操作で宿泊客自身によるチェックインを完了させられます。
システムを通じて、必要な宿泊者情報の入力、パスポートの読み取り、本人認証、鍵の発行などにも対応。たとえば「maneKEY」では、AIを活用したパスポートの自動読み取りや本人認証で、スマートなセルフチェックインを実現しています。宿泊台帳とパスポートデータはクラウド上に保管されるため、台帳管理も簡便に。
セルフチェックインシステムの中でも、民泊運営に特化したタイプ。スマートロック連携による鍵の受け渡しなど、無人運営に必要な機能が備わっています。受付業務を無人化・自動化させて、管理者不在で安全に運用したい場合におすすめです。
タブレット端末不要の「TOMARO+」は、スマートかつ低コストで導入できる点が強み。登録物件ごとに設置されたQRコードをスマホで読み取るだけでチェックインできるので、フロントの省人化を実現します。ゲストハウスや貸別荘、グランピング、キャンプ場など、様々なシーンでの実績を持つ点も魅力です。
チェックインから精算までを自動化させたい場合向けの、精算機も備えたタイプ。特に、客室数が一定以上ある中規模以上のホテルに適しています。
セルフチェックイン精算機「Finexit」の場合、現金と各社クレジットに対応した精算機能を搭載。入力/受取間違い防止機能や、パスポート読取り機能、多言語翻訳機能などを備えているので、外国人観光客の応対も安心です。ホテルマネジメントシステム(HMS)だけでなく、他社のホテル管理システム(PMS)とも連携できます。
自社に適したセルフチェックインシステムを選ぶ際は、以下のポイントに沿って比較します。
チェックイン時の情報入力は宿泊客にとって手間であり、特に団体客など大人数での利用者には多大なストレスになりかねません。予約時など事前に入力するサービスを利用すれば、スムーズなチェックインが可能に。
たとえば「Tabiq(タビック)」では、施設到着時にタブレット端末に入力する「現地チェックイン」と、宿泊者情報を事前に入力する「事前チェックイン」のどちらかが選べます。後者の場合、当日はQRコードをかざして署名するだけでチェックインが完了します。
予約情報の確認を効率的に行えるシステムであれば、利用者のストレスを軽減しつつ、短時間でのチェックインが可能に。特に、複数の宿泊予約サイトをまとめる「サイトコントローラー」に連携できるシステムであれば、予約情報がサイトコントローラー経由でセルフチェックインシステムに届きます。ただし、どのサイトコントローラーと連携できるかはセルフチェックインシステムによって異なるため、確認が必要です。
たとえば「maneKEY」では「ねっぱん!++」「Beds24」に、「minpakuIN」では「ねっぱん!++」「Beds24」「TL-リンカーン」「TEMAIRAZU」に対応。サイトコントローラー連携によって、宿泊情報の自動登録が可能になります。
外国人旅行者が増えている今、多言語対応は必須の機能です。システムごとの多言語機能をチェックして、どんな言語に対応しているかをチェックしましょう。
「OPEN SESAME!」をはじめ、システムの多くが日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)などに対応しています。「Mujinn」であれば、5カ国語対応のほか、多言語での事前チェックイン、多言語翻訳機能を活用したリアルタイムのビデオチャットが可能。自社のインバウンド施策に則り、必要な言語/機能を選ぶといいでしょう。
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(出所:aipass公式Webサイト)
スマートチェックイン機能を搭載したホテル向けオールインワンシステム。宿泊客のスマホを利用し、現地もしくは事前のチェックインから施設案内、周辺案内、チェックアウトまで対応。LINE連携すれば、チェックイン情報に加えてインフォメーションなども配信できるので、集客施策として有用だ。
クーポンの発行、予約・客室管理、スマートキー、顧客分析など、必要な機能を組み合わせて理想のシステムを構築可能。レストランやアクティビティ体験などの予約といった、アップセルに役立つ機能もそろう。接客・運用・集客をまとめてDXしたい場合におすすめ。
(出所:AirHost HMS公式Webサイト)
非対面・非接触にフォーカスした宿泊管理システム。サイトコントローラー・PMS・ブッキングエンジン・無人チェックインといった機能が、オールインワンでそろうのが特徴。ホテルや旅館から、民泊・ゲストハウスまで幅広い宿泊施設に対応している。
チェックイン/チェックアウト、事前チェックイン、決済実行、アップセル・サービス予約、CRM管理など、幅広い業務をカバーしており、運営に関わる業務の効率化に役立つ。日本語・英語・中国語の3言語に対応しているほか、AIがパスポートの写真とゲストの顔を自動的に照合して本人確認を行うため、訪日客対応がスムーズに。OTAサイト、スマートロック、決済代行システム、他社PMSなど、様々な外部システムと連携できるのも強み。
(出所:HOTEL SMART公式Webサイト)
旅館業法のホテル、旅館、簡易宿所営業でも利用できるホテル向けクラウドチェックインシステム。宿泊客のスマホや宿泊施設に設置したタブレット端末を用いたモバイルチェックインによって、受付の省人化や合法的な受付業務を実現する。
清掃・収支・売上・予約管理機能、宿泊者台帳(名簿)管理、スマートロックやレシートプリンター、決済システムとの連携といった豊富な機能を搭載。AI顔認証や多言語による翻訳サービスもオプションで追加できる。民泊向けの「minpakuIN」も提供(後述)。
(出所:maneKEY公式Webサイト)
マルチ言語やキーレスにも対応し、チェックイン業務を省力化するスマートチェックインサービス。AIを活用したパスポートの自動読み取りと本人認証、スマートロックとの連携などによって、人材不足の解消と生産性の向上に寄与する。読み取ったパスポートデータや宿泊台帳はクラウド上で安全に保管できる。
チェックインや鍵の手渡しの完全セルフ化はもちろん、「チェックインはセルフで、ルームキーは手渡しで」といった半無人化パターンにも対応。使った分だけ利用料を支払う従量課金プランと、1部屋あたりの固定料金を支払う月額固定料金プランの2種類を用意している。
(出所:Tabiq公式Webサイト)
ホテルはもちろん、旅館や民泊でも利用できるタブレット型のチェックインシステム。ゲスト/管理者向けのシステムやアプリ、顧客ステータス管理システムを用いて、無人・省人化チェックインを実現する。スマートロックやキーボックスとの連携によって、鍵の受け渡しも無人化。同時に最大10名まで確認できる顔認証チェックインや事前チェックイン、iPadを⽤いたセルフチェックインなどの機能により、運営にかかる人件費を49%削減した実績を持つ。
チェックイン方法は予約ID、電話番号、QRコード、顔認証から好きなものを選んでカスタマイズが可能。
(出所:Mujinn公式Webサイト)
宿泊施設の規模を問わず利用できるセルフチェックイン管理システム。リモート本人確認、パスポートデータ取得、宿泊者名簿作成、事前チェックインなどの機能がそろっている。
コンビニ(ファミリーマート)にて現地決済とナンバーキーの受け渡しができるほか、物理タイプの鍵の運用にも対応。サイトコントローラーとの連携や部屋の自動・手動割り当てといった運営サポート機能も豊富。インバウンド対策にも力を入れており、日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語、タイ語に対応している。
(出所:AIチェックイン公式Webサイト)
ホテル運営会社が開発した、1部屋の施設から利用できるチェックインシステム。最大10名まで同時に確認できる顔認証など、AIを用いた技術で宿泊施設のDXを推進する。日・英・中・韓の多言語に対応。
スマートロックやカードキー、現金精算機などと連携し、スムーズなチェックインを提供。テンプレート内容と送信タイミングを設定できる自動メールやSMSを使うことで、ゲストへの案内も自動化できる。課題のヒアリングから導入サポートを行うため、「従来の現金決済も継続したい」「DXを進めたいが、何から手をつければいいかわからない」と悩む方におすすめ。
(出所:minpakuIN公式Webサイト)
民泊をメインに、ホテルでも利用できるオンライン受付システム。国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)、住宅宿泊事業法(民泊新法)、旅館業法での合法的な民泊運営を、IoTの活用によりサポートする。
スマホ経由での宿泊者からのサインやパスポート情報の取得、暗証番号の自動出力などで、スマートな運営を実現。ビデオチャットで対面に準じた本人確認も行える。また、サイトコントローラー連携に対応しているほか、部屋割り機能がついているため、簡易版のPMSとして活用できる。更に、タブレットを使った現地決済にも対応。
ホテル向けの「HOTEL SMART」を提供している(前述)。
(出所:TOMARO+公式Webサイト)
チェックイン業務を中心に、現場スタッフの提携業務を削減するチェックインSaaS。ゲストのスマホを使ってチェックインやオンライン本人確認、スマートロックの連携を行うため、タブレット端末の設置が不要。予約から施設ドア開錠まで、一連の流れがセルフ対応になる。飲食やアクティビティなどの滞在サービスもスマホ経由で完結する。
チェックイン/チェックアウトは、当日現地のQRコードを読み取るだけで完了。登録されたデータをベースに、旅館業法、民泊新法に対応した宿泊名簿がクラウド上に自動作成される。
(出所:OPEN SESAME!公式Webサイト)
全施設の利用状況を一括管理できる民泊向けの無人・オンライン受付システム。施設に設置したタブレット端末で、無人でのチェックイン/チェックアウトがスムーズに行える。ビデオ撮影、パスポートの情報取得、AI顔認証など、記録・認証機能も豊富にそろう。
宿泊者全員分の台帳登録が宿泊日前に取得でき、リアルタイムでのチェックイン状況の確認などと合わせて全施設の一括管理が行える。一棟貸しやマンションタイプ1部屋などでは端末1台から利用でき、安価で導入できる点も魅力。
(出所:FlexIN公式Webサイト)
特区民泊、民泊新法、旅館業法(簡易宿所)に対応した、ゲストのスマホを用いたセルフチェックインシステム。ビデオ通話・パスポートデータ取得・手書きサイン取得といった本人確認に必要な機能はもちろん、柔軟なカスタマイズ機能で、自施設によりマッチしたシステムを構築できる。
月額1,500円という低価格ながらも、宿泊者台帳取得や多言語対応といった豊富な機能を搭載。その手軽さから、マンスリーマンションやレンタルスペース、企業の会議室など、民泊以外でも多くの導入実績を持つ。
(出所:Finexit公式Webサイト)
インボイス制度に対応したセルフチェックイン精算機。チェックイン/チェックアウトの手続きとルームカードの発行、精算、領収書発行の自動化によって、スタッフの負担を軽減しながらスマートな運用を実現する。多言語対応、パスポート読取り機能、現金による入力/受取間違い防止の精算機能など、セルフチェックインシステムとしても、精算機としても充実した機能がそろう。
希望に合わせて、オリジナルデザインの筐体が設計・制作可能。施設の雰囲気やコンセプトを損なうことなく、システムを自然になじませられる。
(出所:スマーレ公式Webサイト)
駅券売機シェアNo.1を誇るオムロンのオートメーション技術を駆使した、ホテル向けの自動チェックイン機。オートローディング式(カード吸い込み式)でクレジットカードを処理することで、決済途中のカード引き抜きによる処理未了トラブルを防止。スタッフのトラブル処理の手間を削減する。
遠隔地からビデオ通話でゲストとコミュニケーションをとる「遠隔フロントシステム」を使えば、「おもてなしの観点からフロントの無人化が難しい」「深夜帯勤務のスタッフの身体的負担を減らしたい」といった悩みも解消できる。また、全国約140カ所のサービス拠点からの支援やオンサイト対応など、サポートも手厚い。
ホテルなど宿泊施設のチェックインを自動化し、宿泊者のストレスと施設スタッフの業務負担を軽減するセルフチェックインシステム。チェックイン/チェックアウト業務以外にも、宿泊者情報の入力、本人確認といった機能で、人材不足の解消、コスト削減、生産性向上、感染症対策などに寄与します。
セルフチェックインシステムは大きく、以下の4タイプに分けられます。
(1)ホテル管理システム一体型
(2)ホテル向け特化型
(3)民泊向け特化型
(4)ホテル向け精算機一体型
施設に最も適したシステムを選ぶためには、「事前チェックインへの対応有無」「サイトコントローラーの連携範囲」「対応する言語の範囲」といったポイントをチェックしておきましょう。
訪日客数が回復し、各地に観光客が戻りつつある今、セルフチェックインシステムは人手不足やインバウンド対策への悩みを解決する心強い存在です。この機会に一度、導入を検討してみてください。
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