最終更新日:2024-11-06
勤怠管理システムと連携することで給与計算を自動化し、大幅に業務効率化したいと考えている人事部門の方へ。勤怠管理から一括で行える給与計算システムについて、メリットや選び方、比較ポイントとともに、タイプ別におすすめのツールを紹介します。
勤怠管理から自動連携で給与計算できるシステムとは、勤怠情報に基づき自動で給与を計算するシステムのことです。具体的には、労務管理システムやERP、給与計算ソフトなどが該当します。
給与計算業務は、雇用形態の区別や控除、手当の適用など複雑なルールが多いうえ、法改正や税率の変更にも迅速に対応しなければなりません。手作業やExcelによる計算だと非効率的で、ミスも発生しやすくなります。
また、既存の勤怠管理システムと給与計算システムを連携する場合、通常はCSVファイルなどを給与計算システムに取り込むことで、勤怠情報を反映できます。しかし、データの入出力に手間がかかるのに加え、出力したCSVファイルに意図しない改ざんが加わるリスクや、勤怠管理システム側の更新が反映されるまでのラグが生じるといった課題が挙げられます。
勤怠管理と給与計算の自動連携に対応したシステムを導入することで、勤怠情報をリアルタイムに反映し、安全かつ効率的な給与計算が可能になります。具体的には、以下のようなメリットが期待できます。
勤怠管理・給与計算対応システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
勤怠管理・給与計算対応システムのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
給与計算ソフトの選び方ガイド
自動連携に必要な操作は、基本的に以下の手順のみとなっています。
「1.条件設定」では、1カ月の平均所定労働時間や割増手当なども含む時間や賃金の条件、勤怠控除、従業員別の社会保険などを設定します。システムによっては会社独自の手当の設定や、各種社会保険料など保険料率の自動調整も可能です。また、計算式は四則演算からIF関数を用いた条件式などが使え、給与体系に合った従業員別の計算式の設定にも対応しています。
設定後は条件に基づいて「2.自動計算」が行われ、「3. 給与明細の発行」まで一連の業務をシステム上で完結。多くのシステムが給与明細のWeb配信に対応しており、従業員がスマホから確認できるようになるため、印刷費や紙の明細書を配布する手間も省けます。
自動連携対応の給与計算システムは、以下の3つのタイプに大別されます。それぞれの特徴と選び方について解説します。
打刻などを含めた勤怠管理から給与計算までをワンストップで実現できるシステム。勤怠管理と給与計算のシステムを同時に導入したい場合におすすめです。たとえば「freee人事労務」では、打刻された勤怠実績データをリアルタイムで集計し、勤怠情報と就業規則をもとに割増手当などを自動で適用して、給与計算を効率化できます。
なお、一体型の中には、勤怠管理と給与計算に機能を絞ったシステムと、それ以外の業務に対応したものとがあります。たとえば、「Clovernet ERPクラウド」では、販売管理や会計業務にも対応。バックオフィス業務の効率化と並行して人事労務のデータと経営データの統合、プロジェクト収支管理への活用などを可能にします。
バックオフィス業務に関連する複数のシステムを、シリーズとして提供しているタイプ。たとえば「ジョブカン」シリーズでは、勤怠管理なら「ジョブカン勤怠管理」、給与計算なら「ジョブカン給与計算」、会計は「ジョブカン会計」といったように、業務ごとにサービスが提供されています。シリーズ同士でデータベースが共有されているなど、自動連携に適した仕組みが用意されているのが特徴です。
すでにシリーズの一部を利用していて同シリーズから選びたい場合や、必要な業務に対応したシステムをパッケージで選んで導入したい場合などに最適です。
たとえば「ジョブカン給与計算」の場合は、「ジョブカン労務管理」から従業員情報を取り込み、「ジョブカン勤怠管理」から勤怠データを取り込んで給与を計算する、という一連の流れがワンボタンで完結できます。
勤怠管理や給与計算だけでなく、人事労務管理、財務会計、販売管理など、企業内の基幹業務を網羅的にカバーするタイプ。大規模企業において、部門を横断する情報の一元化や、広範囲にわたる業務効率化のために、大幅なシステム刷新を検討している場合に適しています。
たとえば、会計管理から人事管理まで、大企業の基幹業務を幅広く支援する「OBIC7」が本タイプに該当。給与情報ソリューションとして勤怠・就業管理との連携はもちろん、会計情報ともシームレスに連携。また、非定型な報告資料作成などにもデータを自在に活用できます。
詳しくは「ERPパッケージのおすすめ17選。6タイプ別に選び方を紹介」をご参照ください。
(出所:freee人事労務公式Webサイト)
統合型経営プラットフォームfreeeが提供する、人事労務のクラウドソリューション。保険料率や税率の変更に自動で対応する給与計算に加え、年末調整の計算や社会保険の算定基礎届の作成といった、年に一回の給与事務にも対応。労務管理など人事労務にまつわる一連の機能と併用できる。
計算した給与・賞与額と従業員の口座情報をあわせて、オンラインバンキングで振込手続きを実施。大量の振込を処理する総合振込依頼ファイルも簡単に作成できるなど、一括振込をする際に便利だ。freee会計を連携させると、経費精算額を給与とまとめて振り込めるのも魅力。
給与明細の出力、オンライン経由の配布はもちろん、作成・保管が義務付けられている賃金台帳の作成にも対応。そのほかにも、月額変更届や所得税徴収高計算書といった関連帳票を1クリックで一括作成・出力できる。
(出所:Clovernet ERPクラウド公式Webサイト)
財務会計・プロジェクト収支管理を軸に、給与勤怠にも対応しているクラウドERP。勤怠管理や年末調整、社会保険への対応など、給与事務にまつわる作業効率アップを実現する。
勤怠管理における社員マスタデータと給与計算へのデータ連携を一体で行えるのが強み。一般的な給与項目が標準でセットされており、マスタ設定にかかる工数を削減する。また、会社独自の給与体系に合わせた調整も可能だ。給与・賞与明細は従業員のパソコン・スマホへWeb配信。ほかの勤怠管理サービスで取得したデータは、CSV形式で取込んで計算できる。
勤怠や給与に加え、財務会計やマイナンバーまで統合管理できるパッケージのため、タイムリーな経営数値の集約・把握に役立つ。経営層からバックオフィス、事業部門まであらゆるレイヤーの業務効率化に貢献する。
(出所:One人事公式Webサイト)
大手企業や官公庁における累計利用者数が60万人以上にのぼる、労務・勤怠給与管理から人事評価までを一気通貫で担うシステム。「One ID」、「One UI」、「One DB」をコンセプトに、入社から退職までの人事労務と人材マネジメント業務の一元管理を実現する。同シリーズの労務管理システムや勤怠管理システムに登録された情報をデータベースに集約し、給与などの計算や年末調整に活用できる。
月給や時給など複数の給与体系に対応し、控除や賞与なども含め従業員の情報に基づき自動で算出。年末調整もデータ連携されるので、最低限の情報入力で計算が完了する。給与明細書や源泉徴収票はもちろん、税務署などへ提出が必要な帳票も自動で生成。ほかにも、明細公開時の通知、前月と当月の給与額対比表など、給与に関わる業務をスムーズに処理するための多彩な便利機能がそろう。
(出所:スマイルワークス公式Webサイト)
勤怠管理、給与計算、販売管理、在庫管理、財務会計など多彩な機能を備え、バックオフィス業務の統合管理を支援するクラウドERPシステム。給与管理機能では、勤怠データから給与計算、社会保険手続き、年末調整まで自動化することで、業務効率化を実現。従業員自身で、給与明細や源泉徴収票の確認・印刷、スマホからのマイナンバー登録が行えるため、利便性向上も図れる。また、電子帳簿保存法、インボイス制度などの法令改正にも自動で対応するので安心だ。
更に、会計連動ボタン一つで、役員報酬、給与、社保、源泉、住民税、通勤費など部門別の自動仕訳が可能。シームレスなデータ連携により、転記の手間やミスを削減。他社の会計ソフトとの連携にも対応している。
(出所:スマレジ・タイムカード公式Webサイト)
多彩な打刻機能やシフト管理に加え、給与計算まで自動化できる勤怠管理システム。小売・飲食・サービス業を中心に豊富な導入実績を持つ。時給・月給などの給与体系や控除について従業員ごとに細かく設定可能。深夜労働、休日出勤、時間外労働などの割増設定にも対応し、複雑な給与計算を効率化する。法改定や毎年の保険料率見直しには自動アップデートで対応。有給消化日数に満たない場合や残業規定への違反がある場合にはアラートを送付するなど、働き方改革に対応する機能も充実。また、「freee」や「マネーフォワード」など、既存の給与計算ソフトへ勤怠データを反映することも可能だ。
そのほか、GPSや笑顔認証、iPadによるタッチ打刻や、日報・プロジェクト管理など、店舗運営に役立つ機能が充実している。
(出所:マネーフォワード クラウド給与公式Webサイト)
勤怠データの連携・給与の自動計算・Web給与明細の発行まで、給与計算にかかわる業務をより簡単にするクラウドソフト。個人事業から上場企業まで幅広い規模に対応している。
給与の自動計算においては、保険料率の自動改定機能など、雇用保険料や労災保険料の計算に関する多彩な機能を提供。通勤手当や出張旅費などの課税・非課税区分についても自由に設定できる。前月実績との比較が画面上で出来るので、検算・チェック作業の効率化にも役立つ。給与の計算式はカスタマイズができ、四則演算や端数処理に加え、IF関数を使った条件判定やChatGPTを活用した計算式に対応している。
人事サービス連携、振込連携など様々な外部サービス連携が可能。経理、経費精算、マイナンバー管理など含めてバックオフィス業務全体の効率化をサポートする。振込連携では窓口の手続きもネットバンキングの入力が必要なく、銀行との振込連携ができるのが特色だ。
(出所:ジョブカン給与計算公式Webサイト)
シリーズ累計20万社以上の導入実績を持つ「ジョブカン」シリーズの給与計算システム。給与規定を個数無制限で設定できるのが強み。更に、支給・控除項目には、四則演算や括弧を使用した計算式を設定できるほか、複雑なルールを柔軟に設計できる。また、税率・保険料率の自動アップデートにも対応。源泉徴収票をはじめ給与・賞与振込一覧表、住民税一覧表、賃金台帳など業務に必要な帳票を自動出力する機能も搭載している。給与規定のグループごとの合計も出力できるので、会計処理に役立つ。
Web明細の公開日時を予約して発行できる機能を搭載。加えて、CSVファイルを使った支給・控除項目の金額の一括更新や、振込元・振込先の複数指定に対応している。銀行振込だけではなく、現金・現物での支給も可能。
(出所:ジンジャー給与公式Webサイト)
人事労務に関わるすべてのデータを集約し、人事関連業務の効率化を支援するクラウドサービスシリーズの給与計算システム。シリーズで共通したデータベースを持っているため、一度の更新で、給与計算ほか勤怠管理や人事労務管理などに必要な情報が自動連携される。
給与計算はステップに沿って進めるだけの簡単操作。雇用形態、給与体系、従業員ごとに計算方法を変えられるので、個別に計算する手間を削減する。IF関数を使うことで、従業員ごとに異なる手当の支給も一括処理ができるため、複雑な条件分岐が必要な給与計算にも対応。また、処理月、雇用区分、給与体系、氏名など様々な条件で給与データの検索をかけられるので、データ訂正の効率化に役立つ。
従業員ごとに締め処理をおこなえるため、支給時期が異なる従業員の賞与計算について自由なタイミングで実施できるのも便利。
(出所:給与奉行クラウド公式Webサイト)
企業活動におけるすべての業務をつなぐ「奉行クラウド」シリーズの給与計算システム。企業ごとに異なる給与体系や、複雑な手当に対応し、精度の高い自動計算を実現する。
各種社会保険の徴収有無や、標準報酬に変動がある従業員を自動で判定して更新するなど、給与計算に必要な情報を常に最新の状態にアップデート。確認が必要な支給や控除の項目について一覧表が自動作成されるので、給与担当者が見たい視点で効率よく検算できる。
ほかの奉行製品と一緒に利用することで、自動化できる業務範囲が広がる。たとえば、奉行勤怠管理クラウドと連携すれば、給与計算や報告に利用する集計資料をワンクリックで出力。給与明細電子化クラウドを一緒に利用すれば、明細書の配付業務を完全自動化できるうえ、銀行振込までシステム上で完結する。また、付き合いのある税理士など専門家との情報連携を可能にするライセンスを発行できるオプションも用意。
複雑な給与計算を効率化するには、勤怠管理との自動連携で給与計算できるシステムが有用です。勤怠控除や社会保険などはもちろん、会社独自の給与体系ルールにも柔軟に対応できるうえ、Web給与明細の自動出力も行えます。
対応業務の範囲に応じて、「一体型」「シリーズ連携型」「ERP型」の3タイプに分類可能。自動化やシステム連携を進めたい業務範囲に応じて、自社に最適なタイプを選びましょう。
システムを導入することで、給与計算業務にかかる時間やコストを削減し、業務効率化が期待できます。本記事でご紹介したポイントなどを参考に、自動連携に対応した給与計算システムの導入を検討してみてください。
勤怠管理・給与計算対応システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
勤怠管理・給与計算対応システムのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
給与計算ソフトの選び方ガイド
NECネクサソリューションズ株式会社
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