コールセンターシステムと一口に言っても対象範囲は広く、様々なタイプのシステムが存在します。ここでは、コールセンターシステムは主にどのようなシステムや機能を指すのか、そこでどのようなことができるのかをご紹介します。
コールセンターシステムは、お客様からの問い合わせをオペレーターが円滑かつ効率的に対応する、あるいはコールセンターからお客様への案内業務をスムーズに行うために活用する業務支援システムの総称です。
コールセンターシステムの対象範囲は広いため、実際は一つのコールセンターシステムだけでは実現することができず、いくつかのジャンルのシステムを組み合わせて利用することになります。
コールセンターシステムを実現するために使われるシステムの種類と主な機能は次の通りです。
システムの種類 | 主な機能 |
---|---|
CTIシステム/IP-PBX | 電話との連携で問い合わせ対応や架電を効率化する機能 |
問い合わせ管理システム/CRMシステム | 問い合わせステータスや顧客情報を管理する機能、オペレーターの対応を効率化する機能 |
FAQシステム | お客様やオペレーターが疑問を自己解決できるようにする機能 |
チャットシステム | Web上の応対で解決する機能、コールセンター内でのコミュニケーションを効率化する機能 |
より具体的な機能については、次から詳しく見ていきましょう。
ここではコールセンターシステムの主要機能について、CTIシステム、問い合わせ管理システム/CRMシステム、FAQシステム、チャットシステムの4つに分けて、全18機能を解説します。
実際はこれらより多くの機能がシステムに搭載されていますが、ここでは特に基本となる機能を挙げていきます。
CTI(コンピューターと電話の統合)の名の通り、お客様からの問い合わせ電話を受け付けたり、お客様にご案内する際に電話を活用したりする際に、活用したいのがCTIシステムです。
たとえば、お客様からの問い合わせ量が多く、オペレーターが何人もいる場合は、お客様が質問したいことの切り分けや、オペレーターへの電話の振り分けに活用できます。
機能名 | 機能概要 | |
---|---|---|
1 | ACD機能 | お客様からの電話を定めたルールに従って、各オペレーターへ着信電話を自動的に振り分ける機能。ACDは「着信呼自動分配装置(Automatic Call Distributor)」の略。 |
2 | 自動音声応答(IVR)機能 | 自動応答して音声ガイダンスで案内する機能。プッシュ番号操作でお客様の要件に対応したオペレーターに接続したり、一時的に待機してもらったりできる。 |
3 | 通話の録音機能 | トラブル発生時の確認や、オペレーター教育のために通話内容を録音する機能。 |
4 | 問い合わせ分析機能 | 着信数、通話数、応答率、待ち呼数、放棄呼数などを集計し、オペレーターの対応状況や業務の効率を分析・改善に活かす機能。 |
機能名 | 機能概要 | |
---|---|---|
5 | 着信電話の転送機能 | 着信した電話を定めたルールに従って転送する機能。テレワーク時に、会社にかかってきた電話を在宅のオペレーターのスマホなどに転送する場合にも活用できる。 |
6 | ソフトフォン機能 | 固定電話機やスマホがなくても、PCにソフトウェアをインストールすることで電話機として利用できる機能。テレワーク環境でも有効。 |
問い合わせの対応状況の把握・管理や、問い合わせ時の顧客情報の活用のために利用するシステムです。特に、問い合わせに関しては、小規模な企業でも1日に10件以上の問い合わせとなると、どの問い合わせにどこまで対応したのかがわからなくなり、対応漏れや重複対応の恐れがあります。
それに、電話やメールだけでなく、チャットやSNSなどでも問い合わせを受けている場合は、それらのチャネルを含めて管理する必要があります。そのため、コールセンターシステムの中でも、真っ先に導入するシステムの一つです。
機能名 | 機能概要 | |
---|---|---|
7 | 問い合わせの一元管理機能 | メール、電話、Webフォーム、チャット、SNSなど、すべての問い合わせ経路からの問い合わせ内容や履歴を一元的に管理する機能。 |
8 | チケット管理(ステータス管理)機能 | 各問い合わせの対応状況を「未対応」、「対応中」、「対応済み」などのステータスで管理する機能。 |
9 | 顧客情報管理機能 | お客様の情報(氏名、企業名、部署、連絡先、会話履歴など)を記録・管理する機能。 |
10 | 着信ポップアップ機能 | 過去にコンタクト歴のあるお客様から入電があった場合、電話を取る際に顧客情報を参照しながら応対できるよう、情報をポップアップで表示する機能。 |
11 | トークスクリプト機能 | 経験の浅いオペレーターでも的確に会話できるよう、会話例(トークスクリプト)を表示する機能。 |
12 | 返信テンプレート機能 | メールやチャットでのよくある問い合わせに対して、定型的な文章をテンプレートとして用いて返信できる機能。 |
よくある質問とその回答を準備することで、疑問を持つお客様が問い合わせをする前に自己解決できるようにする、あるいは、コールセンターのオペレーターが、問い合わせ対応時に回答例を参照できるようにするためのシステムです。問い合わせ内容として、よくある質問の割合が多い場合には特に有効です。
機能名 | 機能概要 | |
---|---|---|
13 | FAQコンテンツの作成機能 | よくある質問に関する質問と回答を作成する機能。画像挿入や文字の装飾などがエディタで簡単に作成できる。 |
14 | FAQコンテンツの検索機能 | FAQコンテンツをキーワード検索やカテゴリ検索などで簡単に探せるようにする機能。 |
15 | レポーティング機能 | FAQでよく検索されているキーワードやヒットしないキーワードなどを分析し、回答到達率の改善に役立てるための機能。 |
お客様の疑問をWeb上でその場で解決できるようにする、あるいは、オペレーター間のコミュニケーションを円滑化するために利用するシステムです。
機能名 | 機能概要 | |
---|---|---|
16 | 社外向け有人チャット機能 | Web上での問い合わせに対して、オペレーターがその場でリアルタイムに回答できるようにする機能。 |
17 | 社外向けチャットボット機能 | Web上での問い合わせに対し、AI学習データや事前設定したシナリオをもとに、オペレーターを介さず自動で回答できるようにする機能。 |
18 | 社内向けチャット機能 | オペレーターが同僚やSV(スーパーバイザー)と気軽にチャットで質問・相談ができるようにする社内向けコミュニケーション機能。 |
ここまでコールセンターシステムの機能を、CTIシステム、問い合わせ管理システム/CRMシステム、FAQシステム、チャットシステムに分けて紹介してきました。
次に、「実際に一通りのシステムを導入するとなると、一つ一つシステムを導入しなければならず大変そう」「そのような場合はどのようにすべきか?」という場合の導入方法について解説します。
何十席もシートのあるコールセンターの場合は、問い合わせ量や架電量が多く、要件も増えるため、それぞれに適したシステムを選定する必要があります。一方で、小規模なうちは、機能が一通り揃ったクラウド型のコールセンターシステムの導入でも十分な効果が見込めます。
たとえば、クラウド型のコールセンターシステムの導入実績が豊富なZendeskは、CTIシステム、問い合わせ管理システム、FAQシステム、チャットシステムなどが統合的に一つのプランで利用できるようになっています。月額も約8,000円/IDからなので、コールセンターのオペレーターが5人の場合は、月額数万円で一通りのコールセンターシステムが揃うと考えると、導入のハードルはそれほど高くないでしょう。
問い合わせや架電量が多く、オペレーターが一定数以上になると、業務効率化の点でも顧客満足度の維持の点でも、コールセンターシステムの導入が不可欠になります。
実際、どのコールセンターシステムから導入するかは、お客様とのコンタクトで多いチャネルや、業務で課題になっている点など次第。ただし、クラウド型で段階的に導入しやすいシステムが多いため、一つの課題に対して一つを利用してみて、効果の発揮具合やシステム操作の成熟を見ながら、徐々に利用を拡大していくこともおすすめです。
コールセンターシステムの全体像の把握や、どこから着手すべきかという検討に、今回の機能一覧がお役に立てば幸いです。
コールセンターシステムの更に詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
CTIシステムの選び方ガイド(比較表付き)
FAQシステムの選び方ガイド(比較表付き)
株式会社コムデザイン
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