ビジネスシーンにおける取引先や社内関係者、または友人や家族とのファイル共有をしたい、あるいは個人的ににファイルを共有したい方へ。無料で使えるファイル転送サービスの安全性やタイプ、選び方、おすすめのサービスを紹介します。
ファイル転送サービスは、電子ファイルをインターネット経由でほかの人と共有するためのサービスです。ビジネスでの文書共有、写真や動画の共有など様々な目的で利用されており、特にメールへの添付が難しい大容量ファイルの送信や、複数のファイルの一括送信に役立ちます。
「社内や個人の重要な情報を無料のファイル転送サービスに預けるのは不安」という方向けに、ファイル転送サービスの安全性について解説します。
この記事でご紹介しているサービスはいずれも十分なセキュリティ対策が講じられており、有償サービスよりも目立って脆弱性が高いというわけではありません(アスピック編集部調べ)。
たとえば、「Filemail」は2008年のサービス開始以来、データ漏えい事故やハッキング被害の報告はないと公表しています。同社はサイバーセキュリティの専門家による定期的なテストを実施し、常に強固なセキュリティ体制を維持。更に、アンチウイルススキャン、エンドツーエンド暗号化、パスワードによるファイル保護など、多層的なセキュリティ対策でユーザーのファイルを守っています。無料サービスの利用に不安がある場合は、セキュリティ対策の詳細を公表しているサービスを利用するのがおすすめです。
一方で、サイバー攻撃による大規模なデータ漏えい事故が発生している事実を鑑みると、ファイル転送サービスの利用には、万が一のリスクがあることは認識しておくべきです。
「有償版を利用すればセキュリティレベルが必ず向上する」とは言い切れません。しかし、ビジネス利用においては取引先への説明責任という観点で優位性があります。安全性と信頼性を重視する場合や、業務上の要件でより高度な機能が必要な場合は、有償版を選ぶのも手です。
有償版のファイル転送サービスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「【比較表あり】ファイル転送サービス比較14選!法人向けの選び方」
無料で使えるファイル転送サービスを選ぶ際は、「①広告の有無」「②会員登録の要否」「③大容量対応の要否」の3つの観点から検討しましょう。
「①広告の有無」については、取引先のような外部関係者との連絡が主目的の場合、プロフェッショナルな印象を与えるために、広告表示のないサービスが望ましいです。
「②会員登録の要否」については、利用頻度が低い場合は登録不要のサービスが手軽で便利です。一方で会員登録型のサービスは「過去の送信履歴が確認できる」「ファイル保持期限内に、任意のタイミングでファイルを削除できる」といったメリットがあります。
「③大容量対応の要否」については、動画や音声、大量の資料のような大容量データを扱う場合に、重要な選択基準となります。この記事では、100GB以上のファイルを転送できるサービスを「大容量対応」と定義しています。
上記の3つの観点から、この記事でご紹介するサービスは以下の5つのタイプに分類できます。
この記事で紹介する12のファイル転送サービスの主要機能の有無を、一覧表にまとめました。サービス選びの際に、ぜひ参考にしてください。
サービス名 | 広告 | 会員登録 | 容量制限 | リンク共有 | メール送信 | 有効期限設定 | パスワード設定 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Filemail | なし | なし | 5GBまで | 〇 | 〇 | × | × |
tenpu | なし | なし | 200MBまで | 〇 | △※ | × | × |
Conneポスト | なし | あり | 5GBまで | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Google Drive | なし | あり | 15GBまで | 〇 | 〇 | × | × |
OneDrive | なし | あり | 5GBまで | 〇 | 〇 | × | × |
Dropbox Transfer | なし | あり | 2GBまで | 〇 | 〇 | × | × |
ACデータ | あり | なし | 250GBまで | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
データ便 | あり | なし | 2GBまで | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
おくりん坊 | あり | なし | 500MBまで | 〇 | × | 〇 | × |
ギガファイル便 | あり | なし | 300GBまで | 〇 | △※ | 〇 | 〇 |
firestorage | あり | なし | 300GBまで | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
TransferXL | あり | あり | 5GBまで | 〇 | 〇 | × | × |
※送信者宛のみ
主な無料のファイル転送サービスのうち、広告なしで会員登録も不要のものを紹介します。
(出所:Filemail公式Webサイト)
クラウドベースの大容量ファイル転送ソリューション。ノルウェーの企業が運営しており、世界で最も厳しいともいわれるEUの「GDPR(一般データ保護規則)」に準拠した、強固なセキュリティ性が特徴だ。サイバーセキュリティの専門家を登用しており、2008年のサービス開始以来、一度もハッキングやデータ漏えいの被害に遭っていない。
広告表示なし・会員登録不要。最大5GBのファイルを1日2回まで送信でき、受信側は登録不要で7日間ダウンロード可能。1日に送信できる回数に上限があるため、利用頻度が少ないライトなユーザーにおすすめ。Webブラウザから利用できるが、より安定した接続で転送したい場合は、デスクトップアプリの使用が推奨されている。
(出所:tenpu公式Webサイト)
シンプルかつ手軽に利用できる、国産のファイル転送サービス。広告のない洗練されたUIが特徴で、ユーザー登録不要の無料プランは1回あたり最大200MBまで送信できる。
無料プランは1日のアップロード上限回数が1回、ダウンロード期限は1日、ダウンロード回数は3回までと制約が多い。そのため、サービスの使い勝手を確認するため、もしくは臨時の利用に向いている。有料プランではアップロード履歴の確認、ダウンロード通知などの便利な機能を使えることに加え、企業ごとの背景画像・動画を設定できるなど信頼性を高める仕組みが用意されている。
主な無料のファイル転送サービスのうち、広告なしで会員登録が必要なものを紹介します。
(出所:Conneポスト公式Webサイト)
建設業向けグループウェア「現場クラウドConne」発のファイル共有サービス。無料アカウントの登録時に5GBのオンラインストレージが提供される。送付済のファイルはマイドライブに保管され、一度送ったファイルもオンラインで修正・更新が可能。変更を加えた際には送付先にも通知される。
共有期限は60日まで、ダウンロード回数は5回まで設定可能。受信者側はアカウント登録不要なので、送付先には手間を掛けない。送付ファイルの閲覧状況やダウンロード状況は送信者側で確認可能。共有できるファイルの種類は無制限で、CADデータなどにも対応している。
(出所:Google Drive公式Webサイト)
ファイル転送ではなく、ストレージにアップロードして相手と共有するタイプのサービス。ファイル共有だけでなく、共同編集なども可能だ。
広告表示はなく、Googleアカウントを作成すれば利用できる。無料プランでは15GBのクラウド容量が割り当てられるが、GmailやGoogleフォトなど、Googleのほかのサービスとも共有されるため注意が必要。有料プランでは、共有リンクに有効期限やパスワードを設定できるほか、ビジネス版はセキュリティ保護されたビジネス用のメールアドレス(@会社名.com)も取得可能。共有された相手は、ブラウザ上でファイルのプレビューやダウンロードができる。
(出所:Microsoft OneDrive公式Webサイト)
マルチデバイス対応のクラウドストレージサービス。Microsoftアカウントに登録することで利用可能となる。
無料版のクラウド保存容量は5GBあり、Officeファイルや写真・動画など様々なファイルをアップロードできる。共有方法は、ファイルやフォルダごとのリンク発行や特定ユーザーの招待など。無料プランの場合、共有リンクへのアクセス有効期限やパスワード保護機能がないため、共有状態の解除やアクセス権の変更で、ファイルへのアクセスユーザーを制御する。PC、iOS、Androidそれぞれに最適化されたサービスを備えているのも強み。
(出所:Dropbox Transfer公式Webサイト)
クラウドストレージサービス「Dropbox」のファイル転送機能。無料のDropbox Basicユーザーに登録すると、1回あたり最大2GBのオンラインストレージが使えるようになる。
リンクの有効期限は7日間に固定されており、パスワードの設定もできない。一方で、共有状況の把握しやすさに強みを持ち、ダウンロード時に通知が来るよう設定できるほか、ダウンロード回数や閲覧回数も送信者側で確認可能だ。クラウドストレージサービスのDropboxでもファイルを共有できるが、Dropbox Transferはアカウントの容量を消費しないので、共同編集の必要がない場合の選択肢となる。
主な無料のファイル転送サービスのうち、広告ありで会員登録が不要のものを紹介します。
(出所:ACデータ公式Webサイト)
写真・イラストなどの素材サイト運営を行う同社による、大容量ファイル転送サービス。広告付きだが、送信者も受信者も会員登録不要で手軽に利用できる。
無料会員登録を行うと、容量10GBのクラウドストレージ機能を利用でき、長期間のファイル保存が可能となる。1ファイルあたり最大250GBまでアップロードでき、ファイル数の制限なく転送可能。保存期間が最長65日と長く、必要に応じてダウンロード用パスワードも設定できる。また、クラウドストレージを使えば、ファイルをプレビュー表示できるのも便利。
(出所:データ便公式Webサイト)
月間利用数500万超の老舗ファイル送信サービス。無料の「ライトプラン」は、広告あり・会員登録不要でサービスを提供している。1回につき2GBまでのファイルを送信でき、ファイル保存期間は最大7日間。無料会員登録をすれば、5GBまで容量が拡張される。
一度に送れるデータ容量は大きくないものの、高性能ファイアウォールやSSL暗号化通信による通信保護、ファイル暗号化、ユーザー情報暗号化といったセキュリティ対策を施しているため、ビジネス用途でも使いやすい。また、「セキュリティ便」設定によって、ファイル共有に「受信者の申請」と「送信者の承認」という二段階のプロセスを設けられるのも特徴。
(出所:おくりん坊公式Webサイト)
シンプルな操作性が特徴のファイル転送サービス。会員登録せずに利用する場合、最大500MBまでのファイルの共有が可能。アップロード後に即時発行されるダウンロード用URLを使って相手に共有できる。無料会員登録を行うと、転送容量が2GBまで拡張されるほか、送信履歴の確認やアドレス帳機能も利用できて便利。
ファイルのダウンロード回数は30回までで、保存日数は7日間。ただし、パスワード設定機能が提供されていないため、間違った相手にURLを共有しないよう注意が必要。ビジネス向けの有料サービス「おくりん坊BIZ」もあり、こちらは万全のセキュリティ体制と、ドメインや管理画面などのカスタマイズ機能を備えている。
主な無料のファイル転送サービスのうち、広告は入るものの、会員登録不要で容量の大きなファイルを転送できるサービスを紹介します。
(出所:ギガファイル便公式Webサイト)
機能豊富で使いやすい、国産の大容量ファイル転送サービス。広告収入で運営しているため、完全無料かつユーザー登録不要で全機能を提供している。更に、1ファイルあたり300GBまでと大容量のファイルをアップロードでき、ファイル数や総容量にも制限がないので自由度高く使える。
ファイルの保持期間は3~100日まで。必要に応じて、早期削除・長期保存に対応している。加えて、パスワード設定や、ファイルのダウンロード状況を送信者が把握できる受け取り確認機能などもビジネス利用に役立つ。ダウンロードURLの短縮機能やQRコードの発行機能など、細かなカスタマイズ機能も便利。
(出所:firestorage公式Webサイト)
広告表示ありの国産大容量オンラインストレージサービス。無料かつユーザー登録不要で、1ファイルあたり300GBまでアップロードして、ファイルのやり取りができる。
ドラッグ&ドロップ操作で簡単に、複数ファイルをまとめてアップロード。保存期間は最短で3時間、最長で14日まで設定できる。パスワード設定やワンタイムパスコードの設定に対応しているほか、URLの短縮化機能を搭載。メール文にURLを貼り付けて、共有しやすい。無料の会員登録を行うと、無期限で写真を管理できる「photostorage」や、送付先での複数写真の一括ダウンロードなど、便利な拡張機能が利用可能に。
主な無料のファイル転送サービスのうち、広告ありで会員登録も必要なのものを紹介します。
(出所:TransferXL公式Webサイト)
直感的なUIが特徴のファイル転送サービス。シンプルな画面構成で、必要最低限の機能のみが搭載されているため、「難しい設定不要で、手軽にファイルを転送したい」という人に向いている。
無料版は広告表示ありで、ユーザー登録が必須。一度に転送できるファイルサイズは最大5GB、1日あたりの転送量は合計10GBまで。ファイルの保持期間は1週間だが、期限内に好きなタイミングでファイルを削除できるため、機密書類の早期削除などが可能。エンドツーエンドの暗号化や高速ファイル共有といった機能も備えており、ビジネスユースにも耐える。
無料で使えるファイル転送サービスは、メールに添付できない大容量のファイルや、複数のファイルをまとめて送信する際に役立つWebサービスです。ブラウザから直接利用できる手軽さが利点で、暗号化、パスワード保護、リンクの有効期限設定などの機能を活用すれば、一定のセキュリティレベルを保ってファイルを転送できます。
無料で使えるファイル転送サービスを選ぶ際は、以下の3つの観点を確認するとよいでしょう。
また、上記3つの観点から、この記事でご紹介しているサービスは5つのタイプに分類できます。
無料で使えるファイル転送サービスを活用すれば、クライアントや家族、友人とのやり取りや、複数人でのプロジェクト作業の効率向上も期待できます。本記事を参考に、ぜひ導入を検討してみてください。
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