最終更新日:2023-11-02
大容量対応のファイルアップローダーは、無料で使えるサービスもありますが、ビジネス用途においてはセキュリティ面で問題がないか気になるところ。そこで使うときの注意点や、無料版・有料版それぞれの特徴を解説します。
ファイルアップローダーとは、メール添付で送れない大容量のファイルを簡単かつ高速で共有できるサービスです。ファイル転送サービスとも呼びます。共有したいファイルをサービスのクラウドサーバにアップロードし、発行されたURLなどを共有すると、そこから該当ファイルをダウンロードできるようになります。
大容量ファイルの共有以外に以下のような状況でも役立ちます。
その際、企業向けの有料サービスだと、このような機能も充実しています。
企業向けファイルアップローダーをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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ファイルアップローダーを利用する前に確認しておきたいのが情報セキュリティ面です。ファイルアップローダーを利用した際に、機密情報が外部に漏洩してしまうと一大事。安全に情報をやり取りするために欠かせない、3つの確認ポイントを見ていきましょう。
HTTPS(HTTP通信内容をSSLによって暗号化する仕組み)によって通信が保護されているか、アップロードしたファイルが安全に保管されているか、ファイルのアップロード時にウイルススキャンが実行されているか、といった通信経路の安全性を確認することは必須です。
ファイル転送時事故のほとんどは、メールの誤送信といったヒューマンエラーが原因と言われています。裏を返せば、受け渡し時のリスクを減らす仕組みがあるサービスなら、安全に利用できるということです。
ではどんな仕組みが考えられるかというと、送信先のアドレス制限、ダウンロード用パスワードの発行、ダウンロード可能期間の設定、アップロード済みデータの削除機能といったものが挙げられます。ダウンロード回数の制限なども有効でしょう。
データ受け渡し時のリスクを送信者だけに負わせるのではなく、組織としてリスク対策をとることも必要です。有効な対策として、上長の承認後にファイルが送信される機能、アクセス履歴やファイル操作履歴の記録といったものが考えられます。
また、サーバ障害や自然災害などが起きたときでも、サービスを利用できるか、データが保持されるのかといった点も要チェックです。
10MBくらいまでのファイルサイズだと、メール添付で送るほうが手軽で便利です。そして、メール添付でファイルを送る際のセキュリティ対策として、パスワード付きのZIPファイルを送った後にパスワードを別送する、「PPAP」が広く利用されています。
しかし、「PPAP」では、誤送信リスクやウイルス感染リスクの対策としては不十分とされ、2020年11月には内閣府・内閣官房から廃止の発表がありました。現在は官公庁をはじめ、大手企業にもPPAP廃止の動きが広がっています。こうした観点からも、きちんとセキュリティ対策がなされたファイルアップローダーを選ぶことの重要性が感じられます。
無料版でも、HTTPS通信やウイルススキャン、ダウンロード用パスワードの発行といった基本的なセキュリティ対策の機能はあります。たとえば「ギガファイル便」や「firestorage」には、任意のパスワード設定、ウイルススキャン、通信の暗号化などのセキュリティ機能が備わっています。また「データ便」には、受信者からの「ダウンロード申請」にたいして、送信者が許可を出さないとファイルをダウンロードできない「セキュリティ便」機能も用意されています。
ただし、企業間で重要な情報をやり取りする際には、前項で挙げた3つのポイントに対応する機能をすべて備えたサービスの利用が望ましいので、高機能な企業向けファイルアップローダーの利用がおすすめです。
企業向け版は、無料版で紹介した基本的なセキュリティ対策に加え、上長承認、上長供覧、送信先制限といった誤送信防止機能が備わっているものが多いです。
ほかにも、IPアドレスや日時を限定したログイン許可や、パスワードの文字数や有効期限などのポリシー設定など、要件によってセキュリティ強度を上げることが可能です。また、利用状況のログを確認できるサービスなら、社内不正の防止にも役立てられます。
個人間で重要なデータを含まないファイルのやり取りをする場合は、無料版ファイルアップローダーを使用しても問題ありません。しかし、企業間においては、重要なデータを含まない場合でも、下記の理由から無料版ファイルアップローダーの使用は推奨できません。
多くの無料版ファイルアップローダーはダウンロードページの広告表示がされることや、無料サービスのセキュリティに不安を抱く人も少なくないことから、取引先にマイナス印象を与える恐れがあります。セキュリティ対策に厳しいクライアントからは、ITリテラシーが低いと思われてしまう可能性も。
企業のセキュリティポリシーとして、指定のファイルアップローダーを使う必要があったり、無料版ファイルアップローダーの使用が禁止されていたりすることも。勝手に無料サービスを使用すると、知らない間に社内ルールに違反してしまう恐れがあるのです。このように、社内で許可されていないサービスを無断で使用することを「シャドーIT」と呼び、セキュリティトラブルの主な原因とみなされています。
無料で利用できる主なアップローダーを紹介します。
サービス名 | ファイルサイズ | 特徴 | 有料プラン |
---|---|---|---|
ギガファイル便 | 300GB/ ファイルまで |
アンチウイルス機能装備で、任意のパスワードの設定も可能 | ✕ |
firestrage | 2GiB/ ファイルまで |
アップロード・ダウンロード時のウイルスチェック。データセンターは常に監視されており、非常時も安心 | ◯ |
データ便 | 500MB | ダウンロードパスワードの設定、アップロードファイル削除、セキュリティ便といった機能あり | ◯ |
tenpu | 200MB | ファイルはすべて暗号化され、ダウンロード時のパスワード設定が可能 | ◯ |
おくりん坊 | 500MB | ダウンロード回数、ファイル保存日数を選択できる | ◯ |
1ファイル最大300GBまでと、ほかのサービスに比べて圧倒的な大容量ファイルをアップロードすることができる。ギガファイル便のホームページにアクセスして、アップロードしたいファイルと保存期間(7〜60日)を選択すれば、ダウンロードURLと削除用のキーが発行される簡便さも魅力。任意パスワードの設定や、ウイルスチェックといったセキュリティ機能も備わっている。
また、URLを記載したメールを誤送信してしまったときは、削除キーを使って即座にデータ削除することも可能。個人間、または機密ではないデータをやり取りするには十分すぎるほどの機能がそろっている。
1ファイル最大2GiBまでのデータを、容量無制限でアップロードできる。パスワード設定、アップロード時の自動ウイルスチェック、ダウンロード時の手動ウイルスチェック、ダウンロードURLの暗号化といったセキュリティ対策も。データーセンターは24時間365日体制でセキュリティ監視が行われており、システム異常、停電などが起こってもダメージを最低限におさえられる。
無料会員登録をすれば、フォルダにまとめたデータをそのままアップロードしたり、セキュアなメッセージ送信ができたりするソフトウェア「firestools」が使える、無期限の写真ストレージが付与されるなど、無料のままでも使える機能やサービスが充実している。
500MBまでのファイルを無料で送れるファイルアップローダー。無料会員登録とアンケート回答でアップロード可能な容量を2GBまで拡張することができる。一度に送れるデータ容量は小さめだが、高性能ファイアウォールやSSL暗号化通信による通信保護、ファイルの暗号化によるデータ保護など、セキュリティに強みがある。更に「セキュリティ便」機能を使って、送信者からの許諾がないとファイルのダウンロードができないように設定することも可能。
受信者がファイルをダウンロードしたら通知メールが届く、アドレス帳に100件までメールアドレスを登録できるなど、便利な機能が豊富にそろう。
シンプルで使いやすいUIが特徴のファイルアップローダー。1回のアップロードで200MBまで送信することができる。アップロード回数は無制限。
ウイルススキャン機能はないが、サーバがファイアウォールで保護されており、外部からはアクセスできないように管理されている。広告表示のない画面や、わかりやすい操作感も魅力。
ログインなしで500MBまで送信できる、シンプルな操作性のファイルアップローダー。会員登録をした場合、2GBまで拡張し、送信履歴の確認やアドレス帳機能も利用できる。ダウンロード回数とファイル保存日数の指定、ファイル削除機能にも対応。
また、200GBのディスクスペースを使って、安全に大容量ファイルのやり取りができる有料プラン「おくりん坊Biz」も。
企業向けの主な有料アップローダーをご紹介。有料とはいっても、月額3,000円(5ID)から利用することができる安価なサービスや無料プランが用意されているサービスもあります。
サービス名 | ファイルサイズ | 特徴 | 料金 |
---|---|---|---|
Bizストレージ ファイルシェア | 2GB/ ファイルまで |
ファイルの送信先制限や上長承認、アクセス履歴の確認といったヒューマンエラーを防ぐための機能が豊富 | 月額15,000円/1000IDまで(ディスク容量1GBの場合)、初期費用20,000円 |
オフィス 宅ふぁいる便 |
10GB/ ファイルまで |
利用者や利用日時、ファイルをまとめた「利用ログ」は社内不正対策に活用できる | 月額3,000円/5ID(スタンダードプランの場合)、初期費用20,000円 |
OKURN (オクルン) |
100GB/ ファイルまで |
アカウントの利用期限や管理者権限、宛先制限など細かい設定が可能 | 月額34,500円/10,000ID(月間500通まで、デリバー500プランの場合) |
クリプト便 | 20MB/ ファイルまで |
やり取りができる宛先を絞り込むグループ機能や、ユーザー属性ごとにグループを設定してユーザー間の送受信の管理や制限可能 | 月額900円/ID(100IDまで、月間1000通まで、スタンダードプランの場合)、初期費用は別途 |
SECURE DELIVER | 100GB/ ファイルまで |
ウイルスチェック、通信とデータの暗号化、ファイルの自動削除に加え、Web画面上で受信者のデータ受け取り状況をチェックできる | 月額38,000円~(10,000ID・月間500通まで、デリバー500プランの場合) |
Kozutumi | 20GB/ ファイルまで |
宛先を間違えた場合も、相手が受信する直前まで送信中止が可能。「サイバーセキュリティ保険」が自動付帯され、万一のトラブルにも備えられる | 月額6,000円/80ID(月間ファイル送信量上限20GB、スタータープランの場合) |
“ファイルアップローダー”の 一括資料ダウンロードする(無料)
(出所:Bizストレージ ファイルシェア公式Webサイト)
1回のアップロードで最大合計ファイルサイズ2GBまで送信できるオンラインストレージ。ウイルスチェック、すべての通信とファイルの暗号化、不正アクセスの検知・遮断、ログインの制限など、セキュリティ機能が充実している。更に、ファイルの送信先制限や上長承認、アクセス履歴の確認といったヒューマンエラーを防ぐための機能も。企業間の機密情報も安全にやり取りできる。
プロジェクトごとにフォルダを作成し、そのフォルダを介してプロジェクトチーム内でデータを共有することも可能。そのほかにも、ビジネスシーンで役立つ機能が多数搭載されている。ディスク容量に応じて月額費用が決まり、容量内であれば何回使っても定額。ユーザー数も1,000〜10,000人と、大手企業の規模感にも対応している。
(出所:オフィス宅ふぁいる便公式Webサイト)
最大10GBまでのファイル送信機能を持つファイルアップローダー。相手がファイルを受け取ったかわかるダウンロード通知機能、相手側からの大容量ファイルの受け取り、上長承認機能による誤送信対策など、大容量ファイルをやり取りする際に発生する課題を解決する機能がそろっている。また、ファイル送信内容の通知や、履歴管理によって、不正持ち出しの抑制にもつながる。
IPアドレスによるアクセス制限やホワイトリストによる送信先制限、パスワードミスによるアカウントロックなどの万全なセキュリティ対策や、24時間365日体制の有人監視も頼もしい。
5ユーザーまでなら3,000円から導入できる手頃な価格も嬉しいポイント。
(出所:OKURN公式Webサイト)
企業向けのファイルアップローダーとして15年以上の歴史を持つGigaCCシリーズにおいて、ファイル転送シーンに必要な機能だけを搭載したOKURN。大手金融機関や官公庁、教育機関など、様々な組織で利用されている。
宛先の制限機能や上長承認機能、柔軟なアクセス権管理、一斉仕分け送信機能など、ビジネスシーンに特化した便利機能を多数用意。テレワーク支援機能や、電子帳簿配信自動化ソリューションなど、ファイルアップローダーの枠に収まらない多彩な機能が人気。
また、海外拠点・取引先とのグローバルなビジネスに取り組んでいる場合は、世界各拠点に設置されたゲートウェイサーバを経由させるグローバルゲートウェイ機能(オプション)がおすすめ。ファイル転送・共有の遅延を防ぎ、転送速度の最大化が期待できる。
(出所:クリプト便公式Webサイト)
野村総合研究所グループの情報セキュリティ専門会社が手掛ける、セキュリティ重視のファイルアップローダー。誤送信防止、不正防止、監査対策といったセキュリティ機能に特化していることから、セキュリティを重視する金融業界で多く導入されている。そのセキュリティのレベルは、情報セキュリティ格付け会社アイ・エス・レーティングから、最高の格付けである「AAAis」を取得しているほど。社内監査部門からの厳しい外部委託ルールにも対応可能だ。
また、誤送信や設定ミスといったヒューマンエラーによる情報漏えい防止機能も充実。やり取りができる宛先を絞り込むグループ機能や、ユーザー属性ごとにグループを設定してユーザー間の送受信の管理や制限も可能となっている。これほどのセキュリティレベルを担保しながら、操作感はメールのように手軽なのも魅力。
(出所:SECURE DELIVER公式Webサイト)
最大100GBまで対応できるクラウド型のファイルアップローダー。シリーズ合計で2,000サイト以上の導入実績。画像やドキュメントから動画やDTPデータまで幅広いメディアに対応することができる。基本プラン+利用通数に応じた半従量課金制でコストダウンにも有効。
ウイルスチェック、通信とデータの暗号化、ファイルの自動削除といったセキュリティ対策はもちろん、Web画面上で受信者のデータ受け取り状況をチェックできるといった便利な機能も備わっている。
また、大容量ファイルの送受信を前提としたシステム設計で、快適な利用環境も実現。万一の障害に備えて、別媒体へのデータバックアップも実施されている。
(出所:Kozutumi公式Webサイト)
「サイバーセキュリティ保険」の自動付帯で、万一のトラブルにも備えられるファイル転送サービス。「ファイル転送サービス」と「タイムスタンプ機能」の掛け合わせで特許を取得しており、タイムスタンプの付与によってそのファイルの存在と非改ざん性を証明し、ファイルの信頼性を高められる。
自動ウイルススキャンで安全性を向上。GoogleアカウントやMicrosoftアカウントによるシングルサインオンにも対応している。ドラッグ&ドロップの操作だけでファイルの送信準備が完了。一度に最大2GBまで送信が可能なため、重いファイルでも分割して送信する作業も不要。その他、ファイル受信時のSlack通知機能など、作業効率化を図れる機能も充実している。
大容量ファイルを高速で送信できるファイルアップローダーについてご紹介しました。情報漏えいの防止や社内監査の対策の観点から、セキュリティ対策は特にチェックする必要があります。以下、要点(よくある質問)をまとめておきましたので参考にしてください。
大容量ファイルを送信する機会が多い場合は、1ファイル最大300GBまで送信できる「ギガファイル便」がおすすめです。
セキュリティ対策を重点的にしたい場合は、アップロード・ダウンロードと二重のウイルスチェックや24時間365日データセンター監視されている「firestrage」が第一候補となります。
無料版でも、ウイルススキャンやパスワード発行など、基本的なセキュリティ対策は施されています。
しかし、企業間で重要な情報をやりとりする際には、ファイルの送信先制限や上長承認、アクセス履歴の記録など、ヒューマンエラー防止に役立つ機能を搭載した企業向けファイルアップローダーがおすすめです。
ファイルアップローダーでは、容量の小さい文書ファイルや画像から、容量の大きい音声・動画ファイルまで送信が可能です。
サービスによって一度に送信できるファイル容量に制限があるため、利用前には必ずチェックしておきましょう。
企業向けファイルアップローダーをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
Webブラウザーだけで「大容量ファイル(最大2GB)」や「機密情報」をやり取りできる、セキュリティや災害に強い法人向けファイル転送・オンラインストレージサービス...
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